仕事

全国立大学図書館のHPを一気に訪問、で感想

 右上の親知らずを抜歯して元気がありませぬ。まだ近所の歯医者で抜歯作業5分の、上の歯なのですが、それでもしばらくは腫れぼったく、反対側で柔らかくて小さい食べ物をもそもそしてる状態。

 そんな状態ですが、勤務先において実に実にくだらぬ理由で、とある刊行物を急ぎで全国の国立大学図書館に送付することになり、送付先一覧すらない状態なので(なぜか私が)機関名・郵便番号・住所一覧を作成することになりまして。で、国立大学図書館協会のHPにそれぐらいあろう、と見てみると…ありゃりゃ、加盟館HPへのリンク一覧しかないのか。協会に電話で依頼すればデータ送ってもらえるか…とも思ったけど、まぁ80校程度なら各図書館のHPから拾った方が早いかと思い、作業開始。

・北海道大学…む、図書館HPトップには住所がない。お問い合わせ先一覧にあり。
・北海道教育大学…ええっと、本館は札幌だよな、で札幌館のページにあり。
・室蘭工業大学…利用案内…じゃなくて、問い合わせ先か。

 とまぁ、こんな調子で北から南まですべての国立大学図書館のHPから図書館名、郵便番号、住所を拾い出した訳です。作業時間は約2時間。

 で感想。住所を記載しているページが館により随分違うなぁ、と。
 (ほぼ探した順に)トップページ、問い合わせ先、図書館概要、利用案内、交通案内、図書館HP内にはない(大学のHPにしかない)…。
 今回の作業で一番楽だったのは当然トップページなのですが、これが結構少なかった。図書館HPにはないってのもざら。地図や交通案内で行き方はよく分かるのに住所がない…てのはいくつかのページを探した後でかなりがっかりしたり。
 もちろん大学図書館ですので、大学関係者向けとすれば図書館HPに住所情報なんて積極的に記載する必要なし、また大学HP内という位置づけもあって、ということなのでしょうが…
 具体名は避けますけど、図書館概要にあったけど25MB超のPDFファイルにしかないとか、図書館HPに住所がなくて、大学HPまで探しに行ったもののキャンパスが複数あって、どこのキャンパスに図書館本館があるかも非常に分かりにくいとか、それが分かってもそのキャンパスの住所が簡単に探せないとか、もっとひどいのになると図書館HPに大学HPへのリンクすらない(この館は大学HPでも住所が恐ろしいほど奥深くにしか書いていなくて苦労した)とか……
 
 うん、まぁ、今回の利用目的は特殊だからね、しょうがない。図書館HPはしょうがないけど…大学のHP見ても住所がろくに分からないってどういうことだろう。
 地域開放の流れがあるとて、地域住民にはあまり必要ない情報かもしれないけど、微々たる情報量なのだし大学も図書館もトップページの隅っこに小さくでいいから書いておいてほしいなぁ、と思った次第です。

 でも久しぶりに信州大学の猫「けい太」のブログで癒されたので許そう(←偉そうに…)…って3月でブログ終了なんですか?寂しいなぁ。

指定管理者制度万能説?

 今日感じたこと。役所では「指定管理者制度万能説」というのが信奉されているらしい。いや、役所ではなく為政者と財政担当というべきか。
 制度を導入してもしなくても同じなら、とりあえず導入しなければならないらしい。たとえ外郭団体を指定管理者としても、直営のままでは無策と言われるのを恐れるかのごとく。なんだかしつこい生命保険の勧誘を断るために、とりあえずどこか一社に加入する新入社員のようで、いささか頭が悪い感じ。
 一体、指定管理者制度の本質とは何なのだろうか。人件費削減?でもそこで排除された給料相応に働かない公務員は別の部署で残ることをどう考えればいいのか。もしくは自分達の給与水準を維持するため、民間企業に雇われた非正規職員から合法的に安く労働力を搾取することを推進するということか。民間活用?公務員は企業人より仕事ができないとあっさり認めるのか。もしくは、企業人より仕事のできない公務員を排除しないツケを回すのが目的なのか。
 所詮、指定管理者制度を導入するのは出先機関であるということと無関係ではなかろう。翻って、総務事務センター構想など本庁のアウトソーシングがあまり浸透していないこととの比較でも…

 主語がないって?それは想像で埋めてください。結構面倒くさいことが起こりかねないし。こんなことをぐだぐだ書いている間にも、また中身のない導入話が新たに湧き上がっているようだ。

迷い道 くねくね

 実はここ、いくつかのサイトで図書館系ブログに分類されながら、最近では「ファイターズ」話に終始し、そろそろ看板架け替えも検討しなければならないような状態。本人はメッセージ性のない日記のつもりで好き勝手やってますので気にしてないのですが、RSS使って自動で更新情報収集している図書館系リンク集なんか見ると、時々タイトルだけで浮きまくり…。まぁ、適当におつきあいください、ということで。

 さて、最近ばたばたしていたことの軽い種明かしも含めて、個人的な話を少々。
 私は12年間いわゆる事務方の公務員として働いとる訳ですが、「ゼネラリスト」と言うと格好良すぎるか…まぁ職種的にはユーティリティプレーヤー的な位置づけであっちこっちと異動させられております。ただ個人的事情としてちと普通と違うのは採用職種が理系混じりの行政という訳の分からんところなのですが、これも最初の配属で多少の配慮があっただけで、その後は一般行政職と人事上何ら変わらず、一体何のための特殊職種だったのか首をひねるばかり。途中図書館でも働き、酔狂にも司書資格まで取ってこんなところでぶちぶちと素人が図書館界に文句をたれてる状態にまでなってるのですが、自分のこの「拠り所」のなさに不満を覚えてるのです。人事的に理系として何かを期待されている訳ではなく(むしろ扱いが厄介がられているきらいもある)既存の事務職の仕事を転々としているだけの状態、またどの席でもどれだけその仕事のスペシャリスト的な経験や知識を得ようとも結局は専門的キャリアとはみなされない状態(専門職ではないことと在職期間が短いことに起因)に最近ほとほと疲れたというか。特に今の指定管理者として財団派遣という体制下での県庁担当諸子とのやりとりは、もう絶望的に嫌気が差してます。で、今後何かしらの専門職として仕事していった方がモチベーション的にも精神衛生上もよろしかろうて、という思考に取りつかれて某所の某職種(分かる人には想像に難くないでしょう…)の試験を出来心で受験したところ、どうも最終合格者になりそうな所まで来てしまったということです。

 ただねぇ…冷静に考えてみると、今の年収から数十万〜百万単位で収入が落ちる、今の場所から数百キロ離れた場所、全体としてお先真っ暗に思える業界の中にあってそこは理解ある者の庇護下で良い環境らしいが10年、20年後まで維持されるという確証はない、そして何よりその職種は専門職でありながら自分たちの運営する施設をマネジメントする立場には多分なれない(反対に今のままなら今のところで将来そういう立場になる可能性はある)、というところで果たして全てを捨てて飛び込む価値があるやなしや、で二の足を踏んでおります。
 結局はこれから25年間を楽しむのか、25年後に向けて現状を我慢して受け入れるか…なんだけど、相当迷ってる(だったら最初から受験するな、というご批判は深く自省しておりますのでご容赦を…おそらく採用数以上に合格者だすところなのであまり迷惑を掛ける結果にはならないと…)。タイムリミットはもうすぐ、自分の事は自分で決めますが…

 しかし、ゼネラリストより待遇が相当悪い上に、いわば砦すら自分たちで運営できなくなっているスペシャリストって何なんだろうか。

まぁ資料は無事だったのだが…

 仕事中、書架に資料を納めようとして脚立から墜落。右足小指近辺を強打してまともに歩けない状態に。指は動くので打撲だけだと思うのですが…骨折なんてことになると労災になってしまうけど、手続きするの自分なんで面倒……いやいや、そんなことからではなく、大したことなければいいのだが。
 しかし、同僚に状況話したら、開口一番「で、資料は無事だった?」…軽くショック。
 図書館関係に勤務の皆様も重々お気を付けください。下手に慣れてるベテランほど「これぐらい一気に…」って過信してしまうものの、体は衰えてきてますからね。

 ところで、ブログは月末まで恐らく更新しません。ちょっと月末にかけてばたばたしますので。事の顛末はもしかしたら年度末近くにご報告することになるやもしれませんが、とりあえず現時点では秘密。

そりゃ公文書館は集客施設じゃないんでね…

 ・京都新聞 「京都府立総合資料館再生へ あり方検討委骨子案」 (2007.8.19)

 つまり、図書館機能と博物館機能がなくなって、公文書館機能だけになったら利用が激減したと。
 「ま、当然でしょう」と思うのは自分が公文書館に勤めているからであって、「入館者が開館初年度の約3分の1(06年度、1日平均257人)に減っている」とあれば、施設機能の弱体化としか捉えられないのが普通だね(でもうちは257人なんて1月平均に近い月もあるぐらいなんだけどな…)。「資料館の役割が不明確になり」なんて書かれてしまうぐらい、世間様には公文書館なんてマイナーなんですよ、日本では(よほどアメリカのNARAの方が日本国内でも有名で、新聞掲載率も高いんじゃなかろうか…)。

 しかし、公文書館としての京都府立総合資料館は私はいい仕事してると思ってて、例えば「慶応3年から昭和21年度までの行政文書約1万5千点が、平成14年に重要文化財に指定」(資料館HPより)されるなど、公文書の歴史的価値と保存の認識という点においてはさすがに伝統ある公文書館だと。(まぁ、こういう活動が一方では閲覧などの資料利用に影響を及ぼすというのも事実なんだろうが…)

 うーん、公文書で闇雲に人を集めるという発想は捨てた方がいいのではなかろうか。少なくとも明治期以降の公文書では無理だよ、展示でも閲覧でも(まあ、せいぜい現代資料なんかだと、「県職員の汚職と不正の歴史」と題して歴代知事や職員の不祥事絡みの文書から公費で芸者呼んで遊んでた出張復命書程度のささやかなものまでを並べて好奇心煽りゃ集められるでしょうが…)
 いま、本当に本当ちょっとしただけどアーカイブスブームで、新規なところは張り切って公文書でがんばろーとするんだけど、結局は古文書や古地図なんかの歴史資料でしか人が集まらないことに気がついて、そちらへシフトしてしまうか、人集めは諦めるかのどちらかではないだろうかな、色々見たり聞いたりした範囲では。記事中の提言で「利用目的を制限しない閲覧制度の導入」ってのは、現状がどうなってるのかよく分からないんだけど(貴重資料の利用は狭義の研究目的だけってことかな?)、公文書館として開かれた施設になれってことなんだろうかな。いずれにせよ、委員の先生には公文書館というものの認識があるようで、うらやましい限りです。

遠隔複写サービスの歴史に驚愕

書物蔵:古本オモシロガリズム「1942(民国31)年、東洋のBLDSC「通信資料部」」

 ほへー、「1942年に南京で中国語文献の遠隔サービス(それも組織的)ってのはちょっと」どころか相当「すごすぎ」る。現在でも日本の公共図書館では遠隔複写サービスってのは、実際は結構行われているのにサービスの存在自体を公にされていない(理由は公にすると大量複写依頼や近所なのにものぐさで来館しない人の対応が面倒だからだろうけど…)という、裏メニュー的なのにねぇ。いやはや、驚きの歴史。

 そういえば、既にデジタルアーカイブ化され資料は除くとして、遠隔の利用者の依頼に応じて職員が資料撮影し画像データをメールなんかで提供するという遠隔サービスは、日本のどこかの図書館で公に行われているのだろうかなぁ。メール送信ってのは図書館資料は著作権の問題があるので一般化は困難だろうけど、そもそも図書館は基本的に機械複写OKなんで画像化するメリットがあまりないか…。(前にこっそりそーゆーデータ提供した話も書いたことあるけど)うちの職場(公文書館)は機械複写NGなんで、そういうサービス展開を私は本気で考えてるんだけど、この度これに反対してた担当の上司が異動したんで、遠隔地から複数複写依頼が来たことを肴に具体案(サービスのガイドラインやマニュアルなど)を示して一気に畳み掛けてみたんだけどね……またも「公な」という部分はぽしゃり。理由は…私には未だ説明もないんだけど、まぁ煩わしいというところで集約できるんでしょな。その前にもう少しちゃんと刊行済目録をデータベース化しろよ、とも思ってはいたんだけど。あぁ、こういう時だけは権限というものが欲しいなぁとつくづく思う。少なくともあと20年はそーゆーこと決める権利は与えられないことは自明なんだけどさ、地方公務員やってるとね。ふぅ…。いつかは、将来の書物奉行さんのような方に言及される人物になってみたいものです。

ここをクリック、とは書いてなかったけど

 ちょいと以前のことであったが、またも出身大学の学生(学部3回)からレファレンス。といっても、今度は学生さんが自分でメールしてきたんだけど、何でもうちの館のHP目録では検索文献の所蔵状況が分かんないとのこと。すませんな、分かりにくい&HPの目録公開化がかなり不完全で。
 とりあえず、そのものはないが所蔵する関連資料はこんだけある、という話と、国立公文書館にはお探しのもんが一部あるでよ、自分でもあちらのHPで検索してみ、という話を添えて返信。
 それにしても、うちに問い合わせた動機は誰かからそこにあるかもしれんと聞いた、とは書いてあったが、誰が誰かとかその思考プロセスとかまでは書いてなかったのだが。指導教官のアシストっぽいけど、ちょっとその辺も気になったな、弱小マイナー公文書館職員としては。あといちおー、そういうところまで書いてあると、資料検索なんかの参考になることもあるし。ついでにメールとはいえ(だからこそ、か)もうちょっと丁寧な文章だとよかったかね、くだけすぎててThunderbirdの迷惑メールフィルターにスパムとして引っ掛かってたぐらいやし。

レファレンスに対する特別措置も、もう疲れたさ

 仕事始めの日。まぁ、こういう日はのんびりと正月モードからの脱却を図って…電話ですか、はいはい、山口の大学から?…レファレンスでっか。ウェブの目録で見つけた30年前の厚生省の全国調査の資料の内容が知りたい?へいへい、現物見てきて返答します。コピーを郵送して欲しい?困ったな、郵送サービスしてないし、そもそもコピー機複写も認めてないんだよね、うち…

 こういうレファレンスは、全く利用のなかった公文書の目録をウェブで公開した狙いの通りで喜ばしいんだけどね。「公文書館」とすら施設名にない施設なので、誰もわざわざ資料検索ページに来てくれんだろうと、あえてHTMLでベタ打ちにしてアップすることで、検索エンジンで直接引っかけてもらうようにした結果だし。で、こういう遠方からの利用を敢えて誘い出して、遠隔地サービスをどうするかを歴史資料の部長に問いかけたいという思いもあったし。何せメールレファレンスすら捌ききれなくなるとして、公に受け付けしないと言われる方だから。まったく、10年以上前に県図書館が公共図書館初でメールレファレンスを受け付けた時の、外野からの懸念といざ蓋を開けたら大したことなかった顛末まで持ち出して説明したというのに。でもなぁ、前の東大生からの要請も12枚の書類閲覧のために岐阜まで来い、と答えそうになってたし(結局、私がこっそりデジカメ画像をメールで送ってあげたが)…まぁ、とりあえず大学教員が1月4日にこういうレファしてくると言うことは、かなり急いでいるということだろうし、今回もこそっとメールで送っておいたが、そろそろ真剣に遠隔地サービスどうするか検討して欲しいなぁ。いつまでも、個人的な特別措置でサービスして一人で悦に入るのも疲れたぞな。

 しかし、今回の対象資料にあった調査って、全国○○調査ってなってるぐらいなのに、どうも調査結果がどこにもない。冊子になってて当然なのに、何故かこの年度の調査結果だけは、厚生労働省図書館でも各都道府県図書館でもOPACで見る限りないんだよね。国立国会図書館は…うがー、NDL-OPAC7日までメンテで使用不可だと?ふざけるなー、だったけど、どうも公表されてなかったらしい。センセからのお礼のメールにも、厚生労働省には調査の記録すらないと書いてあったが。国立公文書館にレファレンスしてみたら、というところで私の役割は終了だけど、何か釈然としないなぁ。

「売るほど」余ったらしいで

 毎日新聞 「大阪府:刊行物の3割廃棄処分」 (2006.12.3)

 3割ねぇ…販売用だけの割合だそうですが、割合以上に1冊も売れない本を販売しているという感覚の方が問題かな。一般会計予算書を9,000円で買うのは誰だと想定してたのか?そもそも府民が予算書を金出して買わなければいけない理由は何なのか。予算なんて行政が真っ先に無償で情報提供するべき情報なんだし、そんなんネット上で電子ファイルで公開すればいいだけの話でしょうに。調べてないけど、印刷物が売り物だからと同じ内容の情報を敢えてネット公開しない、なんていう逆転した発想に陥り、結果として情報公開できていないなんてことも絶対起こっていると思うな。
 記事によると大阪府は直営で販売しているようなので(違っていたらごめん)、国のように○○協会やら財団法人○○というOBの天下り先に委託販売させ、それらが地方自治体や業界団体に押し売りして濡れ手に粟、というようなたかり構造でないだけなんぼかましだと思うけど、直営ということは販売価格は印刷に要した費用ということなのだろう(そうでなければおかしい)。それでも売れないものは、住民が金出してまで欲しくない情報(もしくは一部だけ必要な情報)なんだし、今売れているものもデータで公開すれば売れなくなる類のものもあるはずで、この場合は売れなくなっても販売用の印刷経費は発生しないので府も損しないし、住民も便利になるはずである。つまり、何が売れ何が売れないかのマーケティングが為されていない上に、販売という形態を重視するあまり情報公開という概念が働かなくなってしまったんじゃないか、と思うわけです。あと社会情勢の変化に対応できていないということか。行政情報もネット公開が主流になってきている訳だし、そもそも原稿だって職員がデジタルで作成したり、また業務用に印刷するなら印刷業者からデータでも納品させれば済む話なんだから。「まとまった部数を印刷せざるを得ない事情」ってのも理解不能。1冊あたりの単価が上がったとて、印刷部数が少なければそれだけ費用は少なくなるんだから。100冊より110冊印刷する経費の方が安い訳はない。販売用単価が高くなるのなら、それだけ売れないものなんだから販売中止にすればいいだけ。もちろんネット使わない人へのフォローは必要だろうけど、それこそオンデマンドで必要な部分を有償でプリントアウトしてあげればいいんじゃないだろか。
 しかし、一番の疑問はこのご時世にまだ売れ残り印刷できるほど印刷費が予算にあるということだなぁ。経験では財政難になって真っ先に切ったのは印刷費なんだけど。おかげで、地元の印刷業者は激減した官公庁の印刷費の奪い合いで単価が下がった、下がった…配布用の部数もどんどん減らして、代わりに電子ファイル公開にシフトしたんだけどなぁ。
 大阪府には税金節約と情報公開を一義に対応してほしいものです。

院生からのレファレンスで(後半改訂版)

 前のエントリーの後半部分、「いらっと」感に任せて書き殴ったら、大学図書館の方々を中心に評判が芳しくないようで、自分で読み返してみてもどうも感情的すぎてあらぬ方向に批判が行ってしまった感もあるので、もう一度整理して書き直してみたい。(本当は前記事は削除したかったのだが、自戒を込めて敢えてそのままにしておきます。)

 まずは所蔵調査という観点で。大学図書館からの所蔵確認は何も問題ないのですが、尋ね方が「防空法第5条の5第2項に基づく昭和19年4月○日付け内務省告示第○号に関係図面は岐阜県庁及び大垣市役所に備え置き縦覧に供するとあるが、この図面は所蔵しているか、なければ代わりとなる資料はあるか」だけだというところが、ちょっといらっとさせられた。そちらさんが告示を確認したであろう資料名は添えてあったものの、告示文そのものの転記も防空法の該当条項の説明も、ましてどんな図面なのか等々、そちらが調べて知っているであろう情報が何も書かれていないのがまずもって不満だったのである。つまり、この所蔵調査に回答するためには、こちらが告示文(結局所蔵資料では告示文については正確に分からなかったが)と防空法の該当条項を調べ、これが「大垣市の建物疎開の範囲を示す図面」についてのレファレンスであるという変換作業を強要させられてるという点が気に入らないんである。いうなれば、Aという本の所蔵調査なのに、Aの書誌情報を知らせずBという本の○ページに書いてある本はあるか?と聞くようなもんですよ。で、うちにはBという本がないけどどーしろと?状態(告示と法律なので調べられない訳じゃないけど、さすがに戦中の告示と法律でそりゃないだろ)。まぁね、そんなん説明不足だと押し返すべきだったのだろうけど、総合大学の図書館のレファレンス係という部署の司書がですよ、相手の立場に立ったレファレンスの仕方を知らないのかと思ったら、なんだか押し返す気力が萎えちゃってね…
 あとね、「代わりの資料」って気軽に添えてあるけど、その部分については前回書いたとおり結構なレファレンスになる以上、所蔵調査のついでレベルじゃないし、本人からのヒアリングなしでは細かく対応できないんだけどなぁ…ということ。
 こうして書いてみると、学生が悪いんじゃなくて、図書館司書が力不足ってことだったのかな。