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まずは市町村立を「啓蒙」してください

 ・毎日新聞 「県図書館:全国トップクラスの貸出数、その陰には…あの手この手で読書啓蒙 /岐阜」 (2007.9.7)

 「啓蒙」ってね、岐阜県図書館はいつの間にそんなに偉くなったものかね。
 公共図書館が利用者を「啓蒙」ってのは、内部からの思想であれば非常に危ないし、新聞記者の指向であれば公共図書館への認識不足=図書館の説明不足なんであって、まぁおそらく取材中のニュアンスからそのような言葉になったのだろう。いずれにしても、県立として非常にみっともないと言わざるを得ない言葉。

 岐阜県図書館の貸出数が異常に多かったのは、単に新館移転と資料費が一定程度保たれたことによる、建物&資料の「目新しさ」だけが要因なのであって、それを戦略として位置付けての次の目標(情報サービスの拡充など)がないから、新鮮味がなくなると同時に利用者も減りますわな。県立なのに浦安市立のようにもなれなかったということだろうに、いまだに貸出だけで何とかしようとあがくのは前時代的なのではないかと。
 児童書の拡充に異論はないけどさ、市町村立を通じた団体への貸出ってのは「セット文庫」のことらしいけど、このシステムじゃ市町村立は単なる「貸出窓口」にしかならんよね。これじゃ、市町村立を支援とか育成とかにならんし、そもそも県立が団体に「セット」にして貸し出すっていうんじゃ、学校までも育たないわいな。きっかけづくりだけならともかく、最終形は「子どもが自分で読みたいものを読みたいように読めるようにする」ことの支援だと思うんですけど、そこ目標にしてる?って疑問がふつふつ。

 最後に内輪的に。なんでサービス課でない課長がでしゃばってるのかね?(そんな分かりきったこと書くなってか?)結局、自分とこの課所管のイベント自慢と個人的専門の児童サービスを勝手に語って記事にさせたというスタンドプレーにしか見えないが。これじゃ、現場の司書が浮かばれねーな。ま、あと○年の我慢じゃ。