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お国の補助制度、安易に使うと…

 中日新聞 「将来の負債?市民ら賛否 飛騨市図書館等複合施設」 (2007.6.18)

 地元の話題だし、たまには屁理屈こねてみましょうか。
 飛騨市は古川町、神岡町など4町村が合併したとこですが、古川町は高山市にほど近くてそこそこの観光客が訪れるとはいえ、それほど目立った産業にもならず、神岡町は神岡鉱山の閉鎖で近年ますます経済の停滞化が著しいところ。ま、つまり補助金なしでは立ち行かない、よくある山間地域ということなんですが、記事にもあるように合併特例債使って(何故か)古川町内にはばんばん建物建ててるって訳で、今回も図書館反対という単純な話ではなさそう。
 確かに「文化交流センター」なんて(自分行ってないけど)大層豪華だという話だし、お隣の高山市では県も市も身の丈知らずの豪華ハコモノ作ってますからな、飛騨市も張り合ってがんがん行きたいんだろうけど、ちょっとやりすぎかなぁという感想を持つんだな、かつて飛騨の市町村の財政に関わってた人間からみて。所詮、特例債も3割自己負担なんだから、今回の建設だって市が単純計算で10億は負担することになるんだしな。なんというか、補助制度は「使い切らにゃ損」っていう一昔前の財政ポリシーが未だ生きまくっているんだろう。
 県職員出身の市長に対しては、その行政経験が田舎の論理に凌駕されているんだろうなぁ、という同情に似た感慨を持つのだが、最近こんな田舎でもK党の活動が活発になってきているのは市役所にしてみれば忌々しいことでしょうな。しかし、市民の2割が署名しているとなれば、単なる抵抗勢力では片づけられないし、何よりやはり真剣に将来の財政をシビアに見積もる癖をそろそろつけないといけないのでしょう、市の財政担当は。
 確かに古川町の図書館は施設が貧弱で、隣の新設された高山市立と比較すると可哀想なんですが、だからといって議場や市庁舎も便乗させた計画は失敗でしょう。夕張市と同じとは言いませんが、市の将来を考えるとこの計画をこのまま認めるってのは、財政を査定する立場に戻ったとするならば「厳しい」の一言は言いたくなります。ただ、これで図書館の移築・改築事業がなくなるってことになるのは図書館の現状を考えると市民に気の毒なんですがね。