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レファレンスカウンターの効率化とレファレンスサービスの拡充は同居しない…か

 前回の反省と言い訳。
 新聞記事にある窓口一本化に対する反論の反論だったものが、どうにも一般化させるときに「レファレンスサービスの縮小」のような印象になってしまったようで。レファレンスを内容で区分し、対応者を分けることで効率化を、という意図だったのですが…まぁ、レファレンス専用窓口の設置に意見するのは、ちと問題がありましたが。
 薬袋先生からは直接、レファレンスカウンター論争話も聞きました、メチャメチャ叩かれたことも(現役司書時代にカウンターで「何でもお尋ねください」札を出して上司に目を付けられたとかいう話も)。現状の貸出+レファレンスカウンターだと職員配置の点で非効率かつレファレンスが死んでいるという意味で、レファレンスカウンターを分離という論なんだと私は理解しているのですが、現状の公共図書館では、今からレファレンスカウンターを作って新たに正職員配置します、はもはや難しいのではという現実論から、利用者にレファレンスサービス利用を喚起し、気軽にサービスを受けられる方策を十分取った上で…という意図です。都立のようにレファレンス窓口が明確にされていれば、そこに派遣スタッフがいる体制でもいいのではということであって、貸出手続きでばたばたしている職員がレファレンスを受ければということを考えている訳ではないのですが、説明不足でした。

 というかはてブコメントを見ていて意外だったのは、カウンターでカウンター業務以外を普通にこなせるものなのかぁ、あるいは単純作業以外のカウンター業務量が結構あるのかぁ、ということ。自分は専門セクションだったので特殊なのかもしれないけど、当番的にカウンターにいると、パソコン持ち込みで仕事していたものの、利用者があるのであまり資料をみっともなく広げて…もできず、個人情報など内部情報の取り扱いもできずで、結局無難な書類作成などをしていても、コピーサービスの対応やブックディテクションゲートの警報、トイレや館周辺の案内などで頻繁に手を止められるしで、満足にカウンターでカウンター業務以外の仕事ができたことがありません。だから、いつもカウンターに出る度に、これさえなければもっと企画的業務ができるのに、と考えていたのでした。館の性質、規模、利用者密度によるのでしょうけど…

 昔の話でうろおぼえなのですが、貸出1冊のコストは数百円、でもカウンターの職員に尋ね事をすると1回当たり5,000円…とかなんとかという試算の記事を見た記憶があります。もう少し、職員に対する業務配分を効率的にする方策はあると思うのですが…単なる所蔵確認や館内案内などと、込み入ったレファレンス対応を同じ単価で実施する合理性はないというような感じで。
 あるいは、正規と非正規の業務内容と賃金の不均衡を是正することも何とかならないものかな、と思います。図書館業界だけの話ではないですが、公共図書館での不均衡って(特に自治体を超えて比較すると)相当なものがある気がします。館内だけでも、何故、その業務担当が正規か、非正規かの理由とその妥当性がかなり曖昧なケースが多いような。司書のモチベーションが「非正規>正規」っていう例が往々にしてあるというところに、問題の根源はあるのですが…