個別表示

大学が公共図書館の指定管理者(候補)に

 ・関市議会HP 平成20年第4回定例会議案等質疑通告書 (PDF上のP4 参照)

 今朝の岐阜新聞に掲載されていたのだが、Webに記事がないので、市議会の通告書をリンクしておきますが…そうか、この間の私のレジュメが欲しいというのは、こういう事だったのか。

 つまり、関市立図書館の指定管理者として、中部学院大学を特定者指名するという前提で条例改正案が議会に提出されたということです…ね(特定者指名というのは新聞にはなかったが)。記事では日図協のコメントとして、大学を指定管理者にするのはおそらく初めてではないか、という記述もあり。指定管理業務の範囲が不明なのだが、全面的なのかなぁ…

 うーん…意図不明。中部学院大学は確かに司書課程あるけど、司書講習も含めていわゆる資格付与のみの体制なんだよね(教員体制参照)。専門課程ではないのに司書課程あるから専門性あり、で特定者指名っていいのかなぁ…

 特定者指名で予算案作成時期なので、すでに金額的にも市と大学は同意しているんだろうけど、どうしたって非正規雇用で経費削減するしかない以上は、大学は自分とこの学生や講習受講生を図書館に非正規として送り込むのだろう(実習と称して学生を労働力にすることもありか?)。で、関市立で働けますよと学生や受講生を募集するという循環か。図書館職員の雇用の実情を知らない人を騙すには、これ以上ない方法ですわな。しかし、これが正しいとしたら、大学として非正規前提で就職斡旋というのは、雇用問題に照らしても非常にまずいんじゃ…

 どうもこうも詳細が詰まらないと何とも言えないですが(あと図書館協議会をぶっちぎってまで議決できるかどうか…)、もし、万一、大学の意図が上記の通りであるならば、市は大学に利用されるだけに終わるでしょう。最初の組織体制次第ってのもあるけど、はっきりいって、図書館情報専攻でもない、司書資格持たせただけの他専攻の学生をいきなり公共図書館に放り出したって、企画運営ができる訳もないし、指定管理では人材も育たないとなれば、関市立が無料貸本屋状態に陥る危険性は極めて高いんじゃなかろうか。

 しかしこれ、将来は筑波や慶応が公共図書館の指定管理者になる日が来るかもしれないということなのだろうか。その場合、どういう運営になるのだろうか…研究のための実験場に化すのか?いやいや…

さてつ URL 2008年12月05日(金)11:34

おそらく,大学が非常勤職員を採用し,図書館に少しの常勤職員(おそらくは大学図書館勤務経験者でしょうが)と多くの非常勤職員が張り付くという感じなんでしょう。
gotsubo1さんのブログの11月9日の記事に,非常勤職員の雇用予定条件が出ていますが,ワーキングプア製造装置ですね。
http://blogs.yahoo.co.jp/gotsubo1/19086981.html
ただ,指定管理期間が1年ていう点はホントかしらと思ってしまいます。
指定管理者制度は人材養成という点で絶対的にマイナスの制度ですが,見方を変えれば,大学が受注することで,実践的な人材養成の場にするとの主張もあるかもしれませんが。

tohru 2008年12月05日(金)18:45

岐阜なら時給はそんなものでしょうが、大学図書館の経験者だけでは運営は難しいでしょう。
 指定管理期間はさすがに3年〜5年だろうと私も思います。
 人材養成の場というのは考えられなくもないですが、あの大学は専門課程ではない以上、図書館を専門的に学びたいニーズと大学が一致していない上に、司書講習では実習はやらないでしょうから、その論はどうにも少々的外れな感じがします。

なんば 2009年05月28日(木)00:04

指定管理者を一般公募(入札またはプロポーサブル方式)で選定するのが一般的ですが、特定者指名というのは行政の手続き上問題はないのでしょうか、行政監査等で指導や改善を受けませんか。一応、市議会が承認していますので、特別な理由があれば今年はとりあえず逃げれるかも?、
また、私立学校法における「収益事業」にあたると思います、新たに収益事業を行う場合、監督官庁の許可、私学審議会の議決、理事会の議決、評議会の議決、寄附行為変更(法務局への届け)という手順で少なくとも市議会に提出される以前に済ませてないと、私学の方の立ち入り検査で厳しい指導を受けます。平成20年度に評議員の数か定数に達していないとあの大学が指摘を監督官庁からされてます。評議員の定数が足らない評議会で議決られたとしても議決したことになるのでしょうか。収益事業で得た収益は学園の運営の補填に当てるためのもので、学生のために使うことになってます。
・行政上の手続き
・私立学校としての使命
みなさんはどのように考えますか。ぜひ、ご意見を

tohru 2009年05月29日(金)20:59

 特定者指名は広く行われていることで、手法自体が問題に問われるものではありません。特定者たる理由は市や議会が検討・承認しているもので、監査指摘事項になるには遠いかと。あとは市民がそのプロセスをどう検証し疑問を持つかだけのことだと思います。今回は議会でも市長が相手ありきで先行させたと一部意見があったようですので、情報公開などで関係資料を入手してみると、もしかしたら検証の杜撰さが出てくるかもしれませんが。

 また、公共施設の運営管理は法の収益事業には該当しないと思います。たとえ市からの指定管理料が多少余って大学の収入にしても収益事業にはならなかったはずですが、図書館の指定管理者では反対に足が出るぐらいではないでしょうか。もっとも、本文で指摘したように今回のケースは、大学が司書講習でのメリットを取ってこちらで授業料等を得ることを想定していると考えていますが。

 杞憂かもしれませんが、もし今回の指定管理者制度導入に反対したいということであれば、ご指摘の点よりも、市民の目線から指定管理者の運営内容を検証されること(運営内容、費用対効果とか、大学の司書講習や学生の募集での過剰な宣伝とかあれば…)をお勧めしておきます。

なんば 2009年05月31日(日)13:01

ご返答いただきましてありがとうございました。参考になりますが、今回の関市立図書館の指定管理者導入は司書資格者の安定的確保というのが、一番の目的のように感じられます。本来、指定管理者制度導入は管理費削減と市民サービスの向上、民間の経営手法を公の施設でというのが指定管理者制度の目的のはずですよね。議会の承認を得ているので、問題はないとは思いますが、ほかの自治体が公募で選定しているのに、図書館という特殊な施設(市民病院・老人施設)ではなく、株式会社・市民団体でうまく運営されておられるようの、本の展示方法を工夫したり、外国語が話せる司書を置き、外人のお客さんに対応できるようにして高い評価を受けています。関市だけ特別に特定指定で前年予算同額では、水道事業や介護保険事業など利用者負担がある事業でしたらまだしも、図書館運営は、税金で運営されていると思うので、国からの地方交付金も入っていると思うので、国の監査がどうなるのか、いままでに関市ぐらいの立地条件で市立図書館で特定指名で運営されている自治体はご存知でしょうか。私が調べたのは「川崎市立多摩病院」が「聖マリアンナ医大」だったか、学校法人で指定管理者になってますが、川崎市内で24時間体制で医大病院が患者を受け入れているという実績があり、ほかにないということで認めれれた様です。24時間体制で急患の受け入れ可能が条件らしいです。
学校法人の収益事業については、岐阜県と国の立ち入りで判断されるように思います。以前、岐阜県の担当者から聞いたのは授業料以外の収入は、難しいと聞きました。(購買部も含む)
指定管理者制度に反対ではなく賛成ですが、ほかの自治体と同じような手順で公募で選定した方がよりいいように思えます。私は法律の専門家でないので今回の件がどうか実際わかりません。tohruさんは法律とか制度に詳しい方ですか。また、学校法人が図書館の指定管理者になることは「国のモデル事業」として文部科学省が推奨したもでしょうか。関市のホームページには載せられていませんが、よろしければ、ほかの方の含めてご返答ください。

tohru 2009年05月31日(日)14:14

 司書有資格者は超飽和状態ですので、指定管理者制度でなくても非正規なら確保は実に簡単なことです。運営に必要な一定程度の有経験者の確保となると、むしろ指定管理者の方が難しいとは思いますが。また人件費を込みにした時に図書館事業費が本当に同額かどうかは疑問です。
 図書館が特殊かどうかは私はここでは判断しませんが、その市の外郭団体などが特定者指名で広く指定管理者になっている事例はたくさんあります。大学が特定者指名で公立病院の指定管理者になる例も他にいくつかあるようです。特定者指名の理由などを見てみると、私はその裁量は基本的には自治体に広く認められていると思います。あと図書館事業は国庫補助金は入っていませんので会計検査の対象でもありません。自治体の監査だけでしょう。
 学校法人に関わる法律については私は無知ですので、担当者の話は判断できません。学校といえどそこまでがんじがらめではないとは思いますが。
 関市の場合は、大学と市が包括的な協定を結んでいたという経緯があるようですので、その流れで特定者指名になったもので、別に国が推奨する形態でもないでしょう。

なんば 2009年05月31日(日)21:34

ご回答ありがとうございます。
関市議会の図書館の指定管理者制度導入の理由として、昨年度は司書が館長を含め正規職員はおらず、嘱託4名、臨時1名であとは無資格者臨時と正規事務職員(無資格者)で運営していたとあり、有資格者の安定確保というのが議会の教委の説明でした。これは私も疑問で司書の飽和状態だというのは私も納得できます。岐阜県内の自治体で夏休み時期の図書館員の臨時募集でも司書有資格者とありますので市議会の理由は疑問です。
私立学校の立ち入り検査は私の家が小さい学校法人を経営していて、関市の外郭団体に空き教室を貸すということで県の担当者に相談しましたら寄附行為の件(学校法人になるときに全資産を国庫に寄附するので経営に必要な経費は私学助成金をもらう権利を得る)で基本的にダメですと言われた経験があり、毎年6月に前年度決算書提出、ヒヤリング、立ち入りと続き、1円単位で報告しています。今は、私のとこは私学助成金をもらっていませんので、そんなに厳しくありませんが、もし、もらったら月ごとに1度経費とかの報告が義務付けられます。泣くくらい厳しく追及されます。中部学院だったら億単位の助成金だと思うのでかなり厳しいでしょう。去年も文部科学省からいくつかの指摘を受けています。
自治体等の監査、私学の立ち入りなど、今後来年度予算までには結果はでると思うのでどうなっているか疑問です。

なんば 2009年06月03日(水)12:32

中部学院による関市立図書館の指定管理者制度が始まって2ヶ月強たったのですが、知り合いの方から聞いたのですけど、毎日のように市民から図書館職員の対応などついて苦情が殺到し、何人かの利用者は怒鳴っているそうです。私も利用しましたが、直営時代より悪くなっているみたいです。ほか自治体の公立図書館で指定管理者制度導入した図書館だとよくなったケース、外国が話せる職員を配置したり、展示を工夫するなど努力されています。関市の場合は市時代より低下しているようです。
大学が実績もないのに公立図書館の運営していく難しさが浮き彫りになった形ですね。改善できるのか、いつまで続けられるか疑問ですね。
市民にとっていい指定管理者になってほしいものです。