石垣・西表旅行記


 今回は石垣島と西表島です。毎年、バースデー早割で名古屋から一番遠くへ行ける石垣便の予約を試みていたのですが、いつもあっという間に売り切れてしまい断念していたのですが、今年は運良く往復分を予約できました。ちょうど4月からANAのバースデー早割はなくなるというタイミングで。とはいえ2泊3日の駆け足旅行だったのがちょっと悔やまれますが…(2006年2月27日〜3月1日)

2月27日
 中部国際空港と石垣空港直行便は1日1往復。となれば出発時間も選択の余地はないので、11時25分発に合わせてのんびり空港へ向かいます。空港着いたら早速「昭和」のラーメン。前回の北海道帰りに食べたというに。豚骨しょう油、ごちそうさま。さすがにすぐ2件目は厳しく、これも前回食べた「BAGEL&BAGEL」をテイクアウトで機内持ち込みすることに。何しろ飛行機は3時間乗りますからね。
 余裕を持って搭乗手続を終え、いざ飛行機へ。機材はスーパードルフィン(ボーイング737-500)という120席ほどの小さなジェットです。石垣空港の滑走路が短いので、大きな飛行機が乗り入れられないのですよ。最近、ようやく新石垣空港建設が決定されましたが、完成はまだまだ先になるようです。機内はほとんど団体客で満席、はいいけど、年寄りが多くて席に着くまでの要領が悪いこと、悪いこと。結局10分ぐらい遅れての出発に…
 天気は曇り、空からの景色も全く見えずで機内では暇をもてあます。飲み物サービスの時に買っておいたベーグルを食べようとしたら、CAからお手拭きと紙ナプキンがささっと出てきた。さすがプロですな、と思っていたら「そこのベーグル、おいしいですよね、私も大好きです」と声を掛けられるとは。「はい…」としか答えられなかったシャイな私をお許し下さい。もちろんベーグルはおいしかったです。  結局、飛行機は約3時間、厚い雲の上を飛び続け、沖縄のきれいな海も島も見えないまま、定刻通り石垣空港へ到着。雨の中、飛行機を降りるとバスに乗せられ目前のターミナルまで運ばれます。やれやれ。
 荷物を受け取り空港内を軽く見て回るが、小さな空港に人がたくさんいて疲れる、疲れる。JTAとANAのターミナルが別々という変わった構造ですが、特にJTAは団体客で歩けないほど。結局、港へのバスの時間もまだ先だったが、タクシーで港に行って船までの時間を潰すことに。タクシーは約10分で港に到着。810円だったのに1,000円渡したら何も言わず200円を返してくれた。おおらかだ。先につりは要らないと言うべきだったか。
「昭和」のラーメン…って、
北海道旅行にも同じ写真が
セントレア(中部国際空港)の
マスコット、なぞの旅人「フー」。
モリゾー&キッコロといい、
愛知はアランジアロンゾ
キャラクターが席巻しております。
スーパードルフィン君は、
エンジンにドルフィンが。

 まずは、予約してあった八重山観光フェリーの西表島往復のチケットを購入。「ネットで予約した…」と言ったら「5,860円」と即答される。オフシーズンとはいえ、誰も予約せんのかいな。帰りのチケットなんて時間指定しておいたのにフリーと印刷されちょるし。
 さて、石垣島を離れる前に翌日の石垣牛の焼肉店に予約を入れる。何せ西表島ではvodafone繋がりませんから。あまりの人気に予約必須という有名店「焼肉やまもと」に電話。この時期に前日予約なら余裕だろう、と18時を希望したら何と17時30分しか空いていないと言われる。すげぇ混みようだなぁ、と思いつつその時間でお願いする。お土産屋を軽く見て船着き場で船を待つ。8年前にはこんな立派な屋根はなかったがなぁ…
 宿へ送迎のお願いを電話でしたら、離島へ向かう船をのんびり見ながら船を待ちます。八重山観光と安栄観光の船がひっきりなしに出たり入ったりしてます。そうこうしているうちに、西表行きの船がやってきました。どこ行きとも書いてないので戸惑いましたが、チケット渡して船内へ。結構大きな船なのに船内はがらがら。たしかに予約不要です。多少の揺れはありつつも、約40分で西表島に無事到着です。それにしても雨と風のせいか、結構肌寒い。
 西表島(大原)の港も見違えるほどきれいに整備されておりました。宿の送迎バスに乗り込み30分で「パイヌマヤリゾート」に到着です。ネット特別割引1泊2食で一人1万円は安い。
 部屋はこざっぱりとしておりますが、温泉が併設されているためか、沖縄らしく風呂なしでシャワーブースのみ。テラスからは真下に野性味溢れる小川が流れ、西表らしい雰囲気を感じることができます。それにつけても、ここは何でも山猫、山猫、山猫。本物はもちろん簡単に見ることはできませんがね…
 早速、日本最西・最南端の温泉、西表島温泉へ。外にある、水着着用のバーデゾーンがメインですが、曇りの天気で結構寒い。湯の温度もかなりぬるめで、一度入ると正直外へ出たくないほど。まぁ、沖縄仕様なのでしょう。男女別内湯(露天もありますが)は少々狭いが、人が少なくてのんびりできました。温泉の質は…まぁ、観光用ということで。若干の茶褐色と塩味(ほんとは循環なのでなめちゃ駄目だよ)が辛うじて温泉であることを証明している程度です。
 湯上がりは、サービスのウェルカムドリンクを。もちろん注文はオリオンビール。湯上がりの1杯、至福です。
 そうこうしていると、夕食の時間に。前回、沖縄に来た時にはおいしいと思えるものがなかったし、宿泊代が格安であることもあって、全然期待していなかったのですが、創作西表・沖縄料理という感じで結構いけました。特にブダイは沖縄の魚はまずい、という概念を壊してくれました。ただ、かなりでかい芋2つでお腹いっぱいになってしまいました…
 食事が終わると、ナイトツアーでも申し込んでおかない限り、何もすることはありません。不用意に外に出ると、ホテルの敷地内でもサキシマハブに咬まれます。温泉に軽く入ったら、チャンネルの少ないテレビを見つつ就寝。さすがに移動距離が長くて疲れました…
自販機には必ず「さんぴん茶」が。
ジャスミンティーのことです。
昔あったゴーヤ茶が影を
潜めていた…
西表島温泉とパイヌマヤ
リゾートの入口
ベランダからの眺望
まさに天然のジャングル
という感じ
ホテルの玄関先の床には
こんな細工が
至る所に看板あり。
サキシマハブは普通にいる
ようです
沖縄と言えばオリオンビール
(写真は食事時の生中です)
夕食の数々。西表島をはじめ沖縄の食材を使った創作料理です。
デザートの甘菓子(沖縄風ぜんざい)は、黒糖の風味が効いて意外とさっぱり。


2月28日
 朝、ホテルの送迎バスで再び大原港へ。「やまねこレンタカー」で予約しておいた軽1台を借りて、そのまま道路の南端、南風見田の浜へ。ツアー客もなく、静かな浜です。奥にはいるとキャンパーがたくさんいるそうですが…天気が悪くて海が綺麗であることを実感しにくいが、浜にはカニやヤドカリがいっぱいいました。遠くには最南端の有人島、波照間島がかすんで見えます。少し移動して「忘勿石」も見てきました。戦時中の波照間島民の不幸の歴史を物語っています。戦闘のなかった西表や波照間にもマラリアによる戦争被害があったのです、忘れてはいけません。
 今度は車で引き返し、環境省西表野生生物保護センターへ。ヤマネコを始め西表島の自然についての展示を見ることができます。保護中のイリオモテヤマネコをモニターで観察できるが、昼寝中だったのか何も見えず、しかたなく剥製でご対面です。
 その後は上原の集落まで行き、お昼ご飯にソーキそばを食べることに。でも、デンサー食堂を目指したら休みじゃないですか。気が向いたら休みで気が向いたのか。仕方がないので近くの新八食堂に行き先変更するも、狭い駐車場には車がいっぱい。仕方がないので、時刻表でしばらくバスが来ないことを確認し、近くのバス停に駐車させてもらうことに。普通のソーキそばを注文。700円は高いんじゃないの、と思ったらでっかいソーキが3つも入り、食べるととてもやわらかでおいしい。納得。スープもカツオ風味の強い、豚骨、鶏ガラとのあっさりダブルスープが何とも。しかし、途中でコーレーグース(泡盛に島とうがらしをつけ込んだ沖縄には必ずある卓上調味料)を入れすぎて、辛いわ、酒臭いわでちょっと後悔。初心者には加減が必要な調味料です。
 食後は道路西端の白浜へ。舟浮(船でしか行けない集落)への案内があるだけで、特に何があるでもない。すぐに引き返し、星砂の浜へ。その名のとおり浜には星の砂があるのですが、手ですくってみると結構な密度で星の砂発見。これだけあると有り難みもない、というぐらい。それだけ乱獲は免れているということなのでしょう、そっと手に着いた砂を払って去りました。すぐ近くの月ヶ浜にも寄りました。ここはニラカナイというユニマットグループによるリゾートホテルが建設され、一部地元住民と軋轢を生じているらしく、実際周辺には立て看板が目立っておりました。でも、大規模なホテルだと思っていたら意外とこぢんまりとしていて拍子抜け。その辺、観光客にはよく分かりませんが、月ヶ浜は誰もいない静かなビーチでした。
 そろそろ大原へ戻ろうという時間になり、道中、無人販売の棒付きパイナップル(冷蔵庫がおいてあるのさ)を頬張りつつ東へ。由布島観光の水牛をちらっと見ただけで、大原に到着。時間に余裕があったので、近くのスーパーで色々物色。見慣れないものがたくさんある中で、手作りのサーターアンダギーはとても美味でした。レンタカーを返却する時には外は大雨。港まで距離はないけど車で送ってもらうことに。運転手さんとの会話で、この時期は曇りか雨ばかりで晴れませんと言われる。今更ながら事前調査の甘さに気付く。今日は風も強くて、石垣-上原港の船は欠航しているとのこと。時期が悪かったということなのね…
南風見田の浜は何もない
静かなビーチ
新八食堂のソーキそば。
このソーキがたまらんほど
うまい。
星砂の浜。写真じゃ分からない
が、砂は星砂(有孔虫という
サンゴの死骸)がたくさん
混じってました。
天気さえ良ければ…
こんな不思議な無人販売所が… 冷蔵庫からパイン棒
(冷凍パイン)を取り出して
食べる。甘い。
もちろんお金はその丸い容器に
入れたよ

 大原港からの船は定時に出航。ただし、風のせいかかなり揺れました。石垣に着いたら宿泊先の「スリープイン石垣島」へ。歩くと意外と遠い。チェックインに手間取る(というよりも、目前でチェックインの手続をしている人が後ろで人が待っとるというのに、どうでもいい話を職員に話しかけてかなりいらいらした)が、新しいこともあって部屋は広くて快適。この値段でこれなら、かなりお得だね。
 部屋でお茶を飲んでちょっと休憩したら、石垣市立図書館を見学、と思ったら今日まで蔵書点検で休館でした。返却ボックスが溢れていて、返却本の盗難は大丈夫なのだろうかといらん心配をする。
 夕飯は昨日予約した「やまもと」で焼き肉です。5時30分だというのに、店内はすでに開店の5時からの客で一杯。今日は火曜日ですよ…こんなオフシーズン平日でも予約しなければ食べられないようだ。せっかくだからと値段も気にせずぱっぱと注文。牛ホルモンなどいくつかのメニューが今日はありません、と言われるが、何の何の。焼きシャブに牛タンは絶品。オリオンビールも進みに進み、45分で1万円分を平らげる。ごちそうさま。ちょっと高いけどおいしいわ。
 時間はまだ夕方の6時過ぎなので、町中のお土産屋や公設市場をぶらぶら。港近くの洋菓子店「お菓子のマルシェ」からのにおいにつられて、店内でがっつりお菓子を買い込む。ホテルに戻って食べたシュークリームも焼き菓子もおいしい。石垣の洋菓子店でこれだけの味を出せるとは。おすすめの店です。
 今日も一日よく移動しました。疲れとお酒で心地よく就寝です。
休館していた石垣市立図書館。
シーサーが赤瓦の屋根に
鎮座しています。
これが「焼きシャブ」。 見るからに旨そうなお肉。
焼き肉の写真が少ないのは、
夢中でがっついていたから。


3月1日
 目覚まし時計が鳴る前に目が覚めたのでよかったが、ベッド脇の時計が1時間遅れていた。客が調整できるタイプでもないのに何故なんだか。
 朝ご飯はホテルでセルフサービス。無料なので、パンと簡単なおかずがあるぐらいだろう、と思っていたら、かなりの充実振り。しかも、結構なお味で。これが無料とはねぇ。
 最終日なので昨日見当を付けておいたお土産を買いつつ、最後の石垣散策。途中、沖縄県立図書館八重山分館をのぞく。結構古くて狭いなぁ…時間がなかったので、あまりじっくり見ることはできませんでしたが、離島地域での事業展開は色々難しそうだ。
 それにしても、ちょうど石垣市長選挙の時期にあたり、選挙カーや街頭演説がやかましい。市街地が狭く固まっているだけに、頻繁に同じ車に出会う。「石垣新空港建設がこれだけ遅れたのは、中央の政権政党とつながりがなかったからであります」「新空港建設は大手ゼネコンではなく、地元の業者が優先して受注できるよう…」…どちらの陣営もど真ん中ストレートな演説だなぁ。田舎には田舎の論理があるのでしょうけどねぇ…
 バスで空港に移動して搭乗手続を済ませると、さっさと手荷物検査を受けて搭乗ロビーで飛行機を待ちます。ロビーではブルーシールアイスを買い食い。普通にうまい。荒天により他便を含めダイヤは遅れ気味。15分ほどの遅れで出発です。帰りも天候不良で眼下は雲ばかり。途中もかなり揺れたし…
 それでもほぼ定刻に中部国際空港に到着。荷物を受け取ると、お腹が空いたと「豆天狗」で高山ラーメンを食す。ラーメンはお約束ということで。久しぶりの高山ラーメンでした。
 色々とお土産を買ってきましたが、一番のヒット商品は「石垣島ラー油」。にんにくや島とうがらしがブレンドされてひと味違います。これで餃子を食べたら激ウマ。オススメです。
沖縄県立図書館八重山分館。
西表島などの離島での
図書館サービスに興味が
あったけど、時間なく調べは
断念。
高山ラーメン「豆天狗」。
和風ダシが、旅行で食べ
まくった胃にやさしく
入っていきます。
関係ないけど高山の本店は
改装したらしい。
お土産、のつもりが実は
石垣のホテルで食べて
しまったのだ…

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