城崎温泉旅行記

6月某日

 なんだか気分転換しなゃと突然思い立ち(今思うと休みを取らなくてはという強迫観念だった気がするが)、金曜日にお休みを取って城崎温泉へ。
 温泉ならどこでもよかったのですが、昭文社の「日本の名湯」(我が家には全巻そろってます。そういえば、応募した旅行券は外れたのか?)を見て、温泉情緒溢れる城崎を思いつきました。
 といっても、僕は10年ほど前に高校の時の連れ共と行ったことがあったのですが、その頃は温泉にあまり興味もなく、2泊もして外湯に一度も入らなかったという、城崎に何しに行ったんじゃ、という状態でございました。
 さて、金曜日とはいえ突然では宿の予約では難しいのかな、とも思ったのですが、「但馬屋」さんが空いておりました。よくは知らないのですが、HP見る限り小綺麗そうで、それほど高くないので決めました。ただ、女将さんがHPで前面に出てくるのがちょっと気になったと言えば気になったのですが…
 当日、金曜日妻は午前中だけ講義があるので、午後に大垣を出発。距離的なことを何も考えずに決めた旅行ですが、今にして思えば城崎は東海地方から行くにはあまりに遠かった…
 大垣ICから名神に乗って養老SAでお昼。養老SAは綺麗に改装されていて、色々と見たかったのですが、時間もなく天むすと豚まんを昼食に食べてすぐに出発。北陸道へ分かれて敦賀IC、国道27号で小浜西ICまで出て、舞鶴道、京都縦貫道を通って宮津天橋立ICへ。更にそこから国道を1時間30分進むと城崎です。約4時間30分の行程。遠っ!
 到着は午後5時でした。大谷川河畔に並ぶ城崎温泉街を車でのろのろ走ると、但馬屋を発見。駐車場に入ると宿の人がすぐに迎えてくれました。
 但馬屋さんは、古い旅館を今風にアレンジした感じのお宿で、全12室。内湯がすべて貸し切り風呂で予約不要、空いていれば入って頂戴というなんとも贅沢な感じで気に入りました。畳敷きで裸足というのもまた気持ちよしです。浴衣も男女それぞれオリジナル浴衣を貸してくれました。
 ご飯まで1時間あったので、すぐに内湯に。まずは素焼き釜のお風呂「花玄の湯」へ。城崎温泉の泉質は塩化物泉で若干の硫黄臭があるものの、どちらかといえば肌にさらりとなじむ感じのお湯です。湯船も大小どちらにも過ぎずで大変心地よい。う〜ん、満足。空いていたので畳敷きの内湯「竹葉の湯」にも梯子しちゃいました。濡れてもいい畳ってどうなってるんでしょうかね。いずれにしても極楽、極楽。
 夕ご飯は多すぎず少なすぎず。それなりでした。城崎といえばカニですがシーズンじゃないので、おみそ汁だけでした。以前来た時は2晩カニづくしだったのですけど。ただ、いつものことなのですが、私ら夫婦は食べるペースがめちゃくちゃ速いらしく、仲居さんが給仕に来るたびに、遅くて申し訳ないと恐縮されてしまいます…すみませんねぇ。
 ご飯も早々に食べ終わり、待望の外湯巡りです。ただ、一番新しい柳湯は金曜日休みで翌日も午後のみ。う〜ん、残念。
 でも、せっかくなので浴衣に下駄で城崎駅近くの「さとの湯」へ。お宿では宿泊客には外湯タダ券が何枚でも貰えますので、何回どこへ入ってもタダです。
 さて、さとの湯に入っていきなし塩素の臭いが鼻をつく。えぇ、城崎で塩素ぉ?…とは思ったものの、道後温泉だって塩素問題があるんだから、しょうがねぇのかなぁ。お上(保健所さん)にはさからえないかいな。内湯はあまり気にならないのに…城崎は他の外湯も含めて、5つの源泉を混ぜ込んで給湯しているようです。だから外湯それぞれの湯の個性は有りません。それでも温泉情緒は好きなんですけど。色鮮やかな浴衣に下駄の音。素敵ですよ。

このように浴衣を貸し出してくれます。
なかなか温泉街全体で華やかですよ。
温泉飲み場です。硫黄臭くて苦め。熱いです。
胃腸に効きそうでしたが。
駅の隣、さとの湯です。
レジャーランドと捉えればこれも有りかと…

 後日、城崎温泉についての記述があるということで、松田忠徳先生の著書「温泉教授の温泉ゼミナール」を買い求めて読みました。特に外湯に関してはまずいことになってますね。是非温泉好きは一読を。正直、文書も上手い訳でなく、同じ記述の繰り返しで構成されているのですが、温泉への思い入れはシンパシィを抱くに十分ですから。(大学の先生に対して何て失礼な…)
 さて、その後「地蔵湯」まで戻ったもののまだ火照りが冷めやらず、そのまま「菜果」で苺ミルクジュースで一服。外の蚊遣りが素敵でした。

「菜果」のジュースです。温泉街におしゃれなお店です。
湯上がりには最高でした。
そういえばソフトクリームも別の店で食べましたっけ…

 結局「一の湯」でもう一度お風呂に入り直し、お宿へ戻りました。右足だけ鼻緒づれして痛いの何のって…
 しばし、部屋でテレビを見た後に、今度はもう一つの内湯である露天風呂へ。なんだか外湯よりいいお湯であることを実感しました。
 夜はさすが関西、深夜テレビが面白そう…でも、そのままばててしまって就寝です。



6月某日翌日

 気分良く7時前に起床。そのまま朝湯に外湯へ行きました。今度は「鴻の湯」。どこもそうなのですが、城崎の外湯は建物も綺麗ですね。それだけ。
 宿に戻り朝ご飯。温泉卵がないのはご愛敬か。
 チェックアウトまで再び内湯を梯子。何回入ってもいいもんです。
 その後、鴻の湯まで車で行き、元湯近くの「Chaya」へ。コーヒー飲みながら温泉卵を作って食べました。温泉成分の塩味も相まって美味しかったです。

湯元に近い「鴻の湯」のいわれです。
隣の写真の元湯にそのまま入ってみたい衝動に…
元湯です。ちょっと硫黄臭いです。
それにしても朝から昼までずっっっと同じ卵が湯に入ってたのは意味があったのでしょうか…
ここに10分入れるとできあがり。
おいしかったです。温泉成分と相まって。

 帰りは出石へ。お蕎麦で有名な城下町です。義母お勧めのお肉やさん「但馬屋 蔓萬」で但馬牛の牛タンを買いました。気のいい「おいちゃん」店長が切り出してくれましたが、家で食べたらこれが美味で美味で…お取り寄せできますので是非どうぞ。特に牛タンはお値打ちですが、ない時もありますよ。サシの入った牛タンをほぼレアで食べる。絶品ですぞよ。
 僕はよく分からなかったのですが、なんでもサスペンスでよく出てくる鳥居たくさんの階段があって、妻は喜んでました。神社でおみくじ引くと僕はなんと大吉。「我慢すれば必ず成功」…我慢して後日病気になったんですがね。もう占いの類は信用しません。
 お昼ご飯に出石皿そばを「官兵衛」でいただきました。あまりお腹が減っていなかったので量は食べられませんでしたが、トッピングの生卵が新鮮でした。しかし狭い城下町なのに何処を見てもそば、そばの看板が。まるでポン引きのような客引きまであって、なかなかどうして、大変そうです。

なんか、こんな感じがよくテレビで出てくるそうです。 そうそう、こんな感じで死体が転がっているそうです。
おそばもなかなか美味でございました。

 それからはのんびりと宮津へ。天橋立へ、と思ったものの駐車料金600円という暴挙にむかついて、車窓から眺めるのみにしました。俗物観光地のばっきゃろー。
 あとは舞鶴へ。途中、天橋立ワイナリーのワインがとてもおいしそうで買ったのですが、家の駐車場で無情にも落として割ってしまいました。申し訳ない。結局その後お酒がしばらく飲めない体になったので、治ったらまた買い直しに行きましょうね、妻さんよ。
 で、そのまま国道をつたって家まで帰ってきました。おしまい。


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