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図書館実習と個人情報

 ・四国放送 「小学生が1日図書館員」 (2007.11.17)

 よきかな、よきかな、図書館業務を色んな人に体験してもらうのはよいことです。乱れた書架の整理や書架への返却作業はいい体験になると思います。まぁ、こんな作業は不人気で、子どもにはきっとバーコード"ぴっ"が一番楽しいでしょうが。私ごときが図書館実習の大学生を数日指導(という名のタダ働かせというのは公然の秘密)なんてことが過去あったのですが、敢えて最初に閉架書庫に閉じこめて資料移動作業をどーんとやらせてました。今思い出しても鬼ですね。でもね、筑波大の生徒さんでも概ね「図書館で力仕事するとは思わなかった」とその日のノートに書いてきます。いくら図書館情報学をせっせと勉強してても、こういう図書館の裏の部分だけは体験(見学では無理)させないと理解できないだろうし、カウンター出る前にやると図書館に対する概念がひっくり返って、後の「目に見える」部分の体験が活きてくるっしょ、という配慮だったのですが、はてこの親心がどこまで伝わってるのやら…

 図書館実習でちょっと気になるのが、大抵カウンターで貸出手続きやらせてますけど、図書館はちゃんと利用者情報の保護に配慮するよう指導してるかな?ってこと。誰が何を借りたのか、家族にも警察にも(令状ないと)教えないというのが一応図書館業界における平準的対応だと思うのですが、一方では守秘義務のない(という解釈でいいのかな?)学生(保育園児や小学生も含む)がカウンターに立って手続きしてるんだよね。もちろん、特定の者の利用履歴を参照することと、たまたま来館している人の手続きをするのでは、セキュリティ的に意味が違うんだよという指摘はそうでしょうが、たまたま知り合いの手続きをした子どもが「○○さんがこんな本借りていったよ」って家に帰って無邪気に話すのは、結構な情報漏洩だと思うのだが。解釈としては利用者は知り合いだと分かってカウンターで手続きしたんだからということも考えられますが、その場合でも図書館員の受付もある、もしくは自動貸出機もある、という選択肢がなければいけないですな。

 まぁ、あんまりセンシティブになる必要もないとは思いますが、上記の二重窓口に加えて、事前に実習生及び(未成年は)保護者にレクチャーして情報の扱いについて承諾してもらうことは必要かなぁって感じます。実態として、一方で利用者情報の扱いにうるさいぐらいなのに、他方でこれではという気がするので…