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ビジネス支援をする図書館に司書(正職員)がほとんどいないって?

 中日新聞 「「ビジネス支援」もうすぐ1年 岐阜市立図書館」 (2007.3.9)

 岐阜市立がビジネス支援を展開しているとは知らなかった、というか今でもちょっと信じがたい部分が。

 ビジネス支援と言えば…以前、元同僚の司書相手と飲んでいたときに「猫も杓子もビジネス支援、ビジネス支援ってうるせえよ、最近」というクダ巻き経験があるのですが、この酔っぱらい発言の意図は、ちゃんとした公共図書館ならそれぐらいのことして当然だろ&ちょっと前はヤングアダルトって騒いでたけど何でもニーズ考えずに流行に乗っかる主体性のなさ(追記:後から考えなしに追従したところに対する批判です)に辟易しておるんじゃ、ということであるのだが(決して世に逆らうあまのじゃく性格からではない、というのは言い訳だけど)、果たしてあの場でここまで伝わったかどうか…

 閑話休題、岐阜市立で何が信じられんのかというと、岐阜市立は本館+6つの分館・分室で構成され、職員数も40名以上、でも正職員の司書は(たぶん)1人しかいない(手元の統計は調査年が古いのしかないので現状違っていれば申し訳ないが、たぶん1人、もしかしても2人程度。図書館関係者なら調査は都道府県立等に丸投げのくせにアホみたいに高い『日本の図書館』で確認してみてください)。で、その1人がビジネス支援専任だとしたら、他のサービスは…ということ。

 いや、非常勤職員の司書ではちゃんとした図書館業務ができないとか(まぁ窓口での簡単なレファレンスを安易に県立に投げるとかそういうことがあったとかなかったとかの内輪話はあるが、ここでは棚上げしておく)を言いたい訳ではないのだが、ビジネス支援に重点を置く図書館内部の雇用基盤がなんと不安定で不確かな事よ、とちょっと思ってしまったので。

 件の司書さんの努力は評価されて然るべき内容だと思うのですが(こういう所から図書館事業の価値が高まり予算・人員が充実する方向に向かって欲しいとは切に願います)、変に内情を知っているといつもの穿った見方をしてしまい、どうも違和感を覚えてしまうのですがね。あそこの市役所は図書館に対する理解が十分にはないと経験則から思い込んでるとか、学生時代岐阜市立にしかない資料の閲覧でカウンター職員のレファレンス等への対応の悪さが未だ感情的に尾を引いているから、個人的にそう見えてしまうだけかもしれないですけど。