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ならば図書館業務を分断して運営してみたらどうだろう

 いつも以上の妄想を垂れ流してみる…反応が恐いが、気を悪くする向きには質の悪いジョークだと思って流してもらいたい。

 公共図書館民営化の賛成派・反対派の図書館観に大きな相違があることはすでに書いたが、ならばその違いに乗っかって図書館業務を分けたらどうか。ものすごく雑で乱暴だが、発売後1年未満の9類(文学)の収集・貸出とそれ以外の業務で。
 前者については指定管理者制度を導入して、資料の収集から貸出までを民間やNPOがやる。公共図書館の名前貸しではないが、これなら貸与権などの問題はクリアできるし、それほど図書館の専門的な知識や技術なくてもでやりくりできよう。あえて公務員が非効率的にやる必要はない、できる書店員1人が仕切る方がずっといいだろう。そのかわり資料購入費は限りなくゼロにして、基本的に資料は寄贈で賄うようにする。リクエストに対しては利用者等に具体的タイトルの周知をもって寄贈を呼びかけると。それでも寄贈がなければそれまで、とりあえずその場は利用を我慢してもらう。流行ものが読みたいという欲求を1年我慢してもらうのは行政サービスの怠慢、あるいは不作為でもないだろう。その代わり寄贈者には優先的に貸出するとか貸出可能冊数を増やすなど、貢献度に応じてサービスに変化をつけたらいい。で、このようなシステムが機能するなら、そういう図書館を望む住民が自分たちでそういうシステムを維持しているということなので、図書館を利用しない人から公共性云々という非難をされる筋合いはなくなるし、機能しないなら住民がそういう役割を図書館に望まないか、あるいはエゴだらけということなのだから、もうそういうサービスはさっさと止めて、保存すべきタイトルを1冊だけ買えばいい。いわば資料のフロー部分を限定的に独立させるという発想。
 後者については、残りの分野の資料は今までどおり収集・整理・保管して貸出もする。9類については発刊1年を経過した時点で、保存が必要と判断したものは前者のシステムで寄贈されたものを引き継ぐ、寄贈されていないものは購入、保存の必要なしと判断したものは古本屋に売って指定管理者の収入にする、と。事実上の資料のストック部分になるだろうか。

 前者は民営化賛成派の図書館観的業務ということで、ここに公共性がないとかお金かける必要がないということなのだろうから、それを住民がどれだけ必要(単に無料で本貸せやという強欲だけではなく)としているかで存廃が決定するシステムにすればいいと思う。これなら無料貸本屋的運営だとしても維持できるならそれで構わないことだろう、普通公共図書館では不可能な(図書館法で図書館無料の原則があるんで)受益者負担的システムだし。問題はそこにどれだけの税金を投入するか、なんだけど、単純にこういう運営にいくら掛けるかが予算額ではっきり見えてくるので、これで議論しやすくなるんじゃないだろうか。ま、これだと今までのような税金の投入は認められないだろうから、書いたように資料購入費は限りなくゼロに近づいていくだろうけど。

 核は直営のままで指定管理者制度が導入できるし、図書館運営費も安くなるし、無料貸本屋非難もされなくなるし、保存機能も発揮できるし、司書の専門性も少しははっきるするだろうしで、色んな立場の人がそこそこ満足できるなかなか良い案ではないだろうか、と自画自賛してみたり。税金による無料貸本屋維持を望む利用者には大不評だろうが、そういう運営には受益者負担が必要だという考えは、その他の人々の強い賛同を得られるんじゃないか、と。問題は、本当にこういうシステムにすると利用者が激減して、大半の市町村立図書館は潰れるだろうから現実味は全くないことなんだけど。矢祭町立ならもしかして可能かなぁ…

 ま、寄贈で資料を賄うのは冗談が過ぎるとしても、こういう図書館業務の分け方と指定管理者制度導入ってのは、ありな気がする。実際、近所の市立図書館は9類とそれ以外でフロア分かれてるし。

 最近、図書館についての妄想癖が止まらずに、かなり困ってますけど、あくまで妄想ですので、くれぐれも本気で反論しないように。