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実務なき資格は資格にあらず?

朝日新聞 「学芸員を格下げ? 博物館充実へ文科省が資格見直し」 (2006.11.28)

 あと1科目の履修と博物館実習で学芸員資格取得というところまできている身としては、論議の行方が気になる。早めに資格取得しておいたほうがよさそうだけど、残りの1科目は土日しかスクーリングしてくれないし、実習だって働きながらでは日程が厳しいんだよね…
 そういえば、私、教育実習だけ履修せずで教員免許(高校物理の予定だった)持ってないんだけど、これも将来更新制になるそうで、今となっては免許とっても教員にならなきゃ結果は一緒だったか、と何となくほっとしたりもしつつ、一生ものの資格と信じて取得したものが、突然剥奪されたりグレードダウンされたりというのは、感情的には納得しにくい部分はあるなぁ。
 それはともかく、記事中の学芸員→司書、博物館・美術館→図書館としても、全く違和感はない(大卒と短大卒など細かい違いはあれど、現状と問題点の根本は同じだ)。司書の方が先に議論されると予想してたけど。あっ、文科省は学芸員と比較して司書に専門性はないという判断なのだろうか、それともこの後に続くのだろうか…
 ま、いずれも資格のハードルを上げたとて、待遇を改善して現場に適正に配置しなきゃ、ペーパー司書・学芸員が一掃されるだけで意味ないけどね。現状の問題点は、現場にいる有資格者のレベルが低いというよりも(ま、ある面そうでもあるんだけど…)、有資格者がたくさんいるのに現場に配置されていない、配置されても臨時職員が多くなって自主的に仕事ができない、というところですでに躓いちゃってるんだから、こういう見直し案では根本的解決にはほど遠いんじゃないだろうか。文化だ、生涯学習だと行政は声高に叫んでますけど、さすがに図書館や博物館へ人・金・物の投資をこれだけケチられていては、本当の文化・生涯学習行政の実現は無理です。金さえ節減できれば、というような考えのない(注:全ての指定管理者制度に対しての言葉ではない)指定管理者制度の導入などでごまかそうとしても、そのうち無理を生じるでしょう。「無用の用」へ投資することこそ公共性の高い事業だと思うのだけど、特に財政難となった最近の行政(=住民と考えることもできるか)は「無用は無用」で切り捨て御免だからなぁ…