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どうした、都立図書館よ

 朝日新聞 「「共同保存図書館設立を」 収容能力を超えた本の保存対策」 (2006.11.24)

 ずいぶん前に書きましたが、広域で資料共有していくというのは、公共図書館が生き残る可能性がある数少ない方策だと思ってます。資料は随時爆発的な数が世に出ているというのに、図書館の収蔵場所は有限なんだから、単純に考えてもこういう方向に行かざるを得ないのですよ。むしろ動きとしては遅いぐらいです。あまりに図書館関係者の認識が乏しいけど、公共的な空間というのは相当高価な公共財産であり、特に図書の保管場所なんて世間的にも行政財政的にも無駄と断じられかねない危うい認識の上に存在している空間なんじゃないだろか。
 ただ、これって本当は都立の責任でやるべき事業だよね。都立にない資料なら市町村立でなんとかしなきゃいけないのかもしれないけど(それでも個人的には都立が寄贈を受けて保存すりゃいいと考えるけど)。「都立図書館全体で原則1タイトル1冊」は現状では致し方ないだろう、でもそれで何か支障があるのかなぁ。相互貸借の都立資料も個人貸出禁止って訳じゃなさそうだし…
 詳細はよく分からないけど、こういうことが市町村立側(元職員が中心のNPOだけど)から本格的に興るということは、やっぱり都立が、都立としての機能を果たせない状態にあるという証拠なのでしょう、市町村立で都立的図書館を創るという発想なんだから。改めて知事の認識1つで都道府県下全域に多大な影響を及ぼしてしまうものだなぁ、と感じました。あと、市町村立と都道府県立の関係が更に捻れてきたなぁ、という印象が。