個別表示

図書館話を聞く知事、聞かぬ知事

 ・だいちゃんぜよ 「知識のコンシェルジェ(10月16日)」

 「だいちゃんぜよ」は橋本大二郎・高知県知事のブログです。ふ〜ん…奇しくも東の都で石原知事がこんな発言(葦岸堂「石原知事の会見記事から」)した数日前に、橋本知事はこのような会話をしていたとはねぇ。

 橋本知事も「図書館の窓口は知識のコンシェルジェなのだと、再認識」したと言いながら、「本の貸し出しや返却の受け付けが、主な仕事」だと思っていたのですから、図書館への認識度は並程度だったのでしょう。石原知事の「図書館の司書ってのは、どんな仕事をするの」発言と大差はない。ただ、橋本知事は研修で側にいたとはいえ、2年目の図書館員と会話をし、レファレンス業務についてそこそこ突っ込んだ話をしたことが「辞書をお買いになったらどうですか」という正直な感想、「気を良くした、常連の質問客もいる」(おそらくはちょっと困ってます、というニュアンスで知事に話したのだろう…)という書き込みから読みとれる。
 端的に橋本知事=図書館の理解者、とは思いません(新県立を駅前複合で計画しているあたりが個人的にはちょっと、ね)が、今回の図書館話に限らず、この2人の根本的な違いは他人の話を聞けるかどうかではないかと。自分から質問しながら記者の「レファレンス業務といって…」という回答を早々に遮って持論を展開する知事と、若手職員と仕事について気軽に会話できる知事。私は後者のような知事の方が為政者として(いや、人間としても)遙かに正しいと思うのだが…某が2年目の職員と口を聞くなんて想像すらつかんなぁ。どの口が教育改革だ、道徳だなんて言っているのですかね。

 ま、知事は直接選挙で選ばれし者ですので、住民でない者がその資質をどうこう言ってもしょうがないのですが、図書館話ひとつ取っても色々ですなということで。現場の声を拾わない者はいずれ破綻することは、各地で頻発している都道府県の不祥事が証明となっていますか…

 あっ、でも「「いい勉強になる」と、この手の質問攻めを結構楽しんでいる風」かどうかは、どーなんでしょうね(笑)。あんまり「常連」ばかりだと正直疲れてきます。よかれと思って最初に一生懸命回答したら、ご指名されるようになってぐったり…いやいや、それは図書館員として名誉なことなのですが、やっぱあんまり気軽すぎるのも「まずは自分で調べんか〜い」と切れがちにもなったり。客(主に高齢者)の情報検索スキルを育てなきゃ解決しないんだけど、それもなかなかねぇ…