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どうしても住民に資料を寄贈されたくないということ?その2

 ・京都新聞 「節約図書館、蔵書は寄贈 福島県矢祭町、運営に懸念も」 (2006.9.17)

 もういっちょ。京都新聞独自じゃなくて地方紙共同の記事なのですけど。
 いや、図問研は矢祭町をどうしても批判したいのだろうけど、それにしても「古本だけでは住民が必要とする資料は集まらない。収集の基本方針もない図書館は、無料の貸本屋になりかねない。」の意見はあきれを通り越して、腹が捩れるほど笑ってしまったよ。基本方針を定めながら無料貸本屋状態の図書館が多数存在することの説明は?そういう図書館こそ図問研が示した方向じゃないの?それと、私を含め多くの寄贈者は図書館に必要と思われる資料を寄贈したのだが、寄贈資料=不要資料と決めつけるのは、国民を馬鹿にしすぎ、その意見は自分たちが行っている図書館行政を根底から否定している(自分たちの図書館は住民の民度向上に十分貢献してねー、と言っているのだよ)ことに気付いてないの?って考えると、矢祭町の手法を批判するために、自分たちが受けるべき批判を何も考えずに転嫁(いや、単なる転写だな)するとは、失望とか批判とかではなく大笑いにしかならないね。
 収集方針や今後の資料収集方法も含め、矢祭町、利用者、そしてボランティア達で自主的に運営方針をこれから決定すればいい。もう、業界のいらない口出しは無用あって、客観的に見て失敗したときに助言すればよいのだ(この場合も批判はいらない)。まして、意に沿わない試みに対して支離滅裂な批判をしたところで何が生まれるというのかね。

あきひろ 2006年09月20日(水)00:28

ていうか日本図書館協会とか図問研てのは何者?個人的見解盛りだくさんな解説キボー。

tohru URL 2006年09月20日(水)14:49

本名などを晒されたくはないので、本当の個人的見解は控えますが、どちらの団体もHPでは何をしてきて、何をしているのか、実体が分からないねぇ…
日本図書館協会はいわゆる本流の図書館業界団体で、戦前より続く由緒正しき団体です。現在の活動内容はHPで。
図書館問題研究会は、1955年に設立された主に公共図書館員で構成される団体です。HPトップページを見れば基本的思想は概ね理解できるかと…
ものすごく端折って説明すると、1960〜70年代に「中小レポート」「市民の図書館」(詳しくはぐぐって頂戴)と日野市立図書館の成功を拠り所に、公共図書館はこぞって市民の要求に応じた資料を大量購入したくさん貸出をすることで大いに発展した、ここがポイント。これは高度成長期という時代、貧弱な公共図書館を発展させるには非常に効果的な手法であったが、現在もこれに固執しているのが図問研であり、日図協であり…というのが軽〜い個人的見解ということで勘弁を。どこの業界団体もそうでしょうが、年月経てくるとどうしても懐古主義や保守主義に陥りやすいものですよ。変化を嫌い、自分達が行ってきたことに反する動きに対しての非難に終始するとかね。
私は、貸出だけに特化した公共図書館の現状と業界の考え、そして図書館は他の公共施設より優位にあるべきと考える図書館原理主義的思想は、現在の社会状況下ではもはや通用しないという考えです。

あきひろ 2006年09月20日(水)22:55

情報サンクス。とりあえず「中小レポート」「市民の図書館」の2冊は豊島で探して読んでみるYO!

tohru URL 2006年09月20日(水)23:08

中小レポートの正式は『中小都市における公共図書館の運営』です。豊島はどちらも閉架書庫にあるようですが、誰だろう、市民の図書館ばかり借りているのは?