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司書の皆さん、死蔵という言葉はお嫌いですか?

 どうしても某地元紙は情報収集力や文書能力がちょっとね…という感じで普段から読まないのだが、今日職場で回覧されてきた切り抜き記事で県図書館の連載が始まっていることを知る。HPが充実していない新聞なのでWebで読めないのですけど。

 で、第一回目を切り抜きで読んで、まぁがっかり。内容から企画としては恐らく図書館主導で新聞社に持ち込んだのでしょうけど、図書館主導でこの記事は何なのよ、と。え?何のことって?転写して詳細までお伝えしたいぐらいだよ、Webで読めないのが実に残念だなぁ…
 まず記事ど真ん中に「貸し出し冊数、全国屈指」って文字がでんと。この時点で笑ってしまうが、記事中では貸出数だけに止まらず、県民一人当たりの蔵書数を持ち出して、一位の徳島県と比較すると「寂しくなる」などとまで書いてあるのには声が出ないよ、わたしゃ。徳島県には悪いけど、こんな数値、人口少ない所が跳ね上がるという考えは記者になかったのかね。ま、期待するだけ無駄だろうなぁ…というより、そういう数値を図書館側がわざと提供したのだろうよ。
 他にも突っ込みどころ満載なのだが、一番は最後の「司書が忌み嫌うのは、「死蔵」という言葉。県民、利用者としてもそれは今後は「死語」にしたい。この企画は、そうした考え方で始めたい。」というところ。その精神自体はよろしいのですが、それまでの意味のない数値比較を見せられると、とにかくバンバン貸しますよ、としかとれないんだけど。まして県立ですよ、10年や20年に一度しか利用されない本こそ保管すべき施設だと思うんだけど。
 新聞記者が記事書くのなら、そういう取材対象(しかも連載記事だよ)のファウンデーションは相手の言いなりじゃなくて自分でまず調べてほしいもの。一番の問題はそういう方向に平気で持っていく図書館の方なんだけど…また某司書個人の暴走なんだろうかね、やれやれ。