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何故、公立図書館は事務系公務員の吹き溜まりとなるのか?

 ・DORAの図書館日報 「公共図書館再生のシナリオ」

 予めお断りしておきますが、図書館を始め教育委員会や出先機関に配属されている事務系職員で、非常に優秀な方がいることも実例を通してよく知っておりますし、反対に司書や学芸員などの専門職員の中にもどうしようもない者がいることもよく知っておりますが、私の狭く偏見に満ちた視野の中での経験から綴りますので、偏りや例外を殊更に指摘することはご遠慮ください。

 苦しい前置きはここまでとして、さて、図書館に限りませんけど文化施設にハズレ事務系公務員が回されるのは、残念ながらよくあることだと思います。ここで思い切り愚痴りますけど、今でも隣の席のは毎日暇そうにしているクセに7月下旬に4月1日付け契約の回議を平気で回してくるような仕事ぶり、かつ受付から来館者が見ていようとも毎日昼休憩15分前から平気で弁当食い出すというのがおりまして、本当にストレス溜まるんだな、もう目の端に入るだけで。これで万年ヒラと言えども私の1.5倍(非常勤職員と比較すると…恐ろしい話だ)以上給料貰っているのだから税金泥棒としか言いようがないけど、クビは切れないし再教育もしない。鳥取県方式で首切りしようとしても、もっと酷いのがまだいるので、このレベルではどうしようもないだろうなぁ…
 …いかんいかん、個人的愚痴はやめ。まぁ斯様に、いるだけで迷惑千万から働く気のないレベルまでの公務員というのは、いる。もちろん全体から見れば少数派(と信じたい)だけど。では、クビも切れないこれらをどこに置いておくのかというと、本庁から最も遠くて影響の少ない教育委員会の出先機関、仕事量も少なくて内容も従前通り創意工夫しなくても何とか働いている(と見せかけることが可能な)会計や福利厚生などの庶務関係を担当させるのが無難だということになる(お金触らせるのが恐いと思わせる人種もいるんだけどな…)。そして、同じような仕事を繰り返して定年まで周りが我慢するという構図(公務員経験者なら分かってくれますよね)。さらに図書館のイメージ=静かで暇、面倒な事が少なくて楽そう(これは自分が図書館にいた時、周りからさんざ言われた)が人事を含めた共通認識として成立している、とくれば図書館は格好の吹き溜まりになります。よくTRCの会長が「図書館は教育委員会に属する行政の「隅っこ」」と発言しているけど、これを人事で体現しているということかな。
 まぁ、このあたりの話はよく言われることですが、今度は図書館の人員構成からアプローチしてみると、図書館では司書職が図書館事業を実施し(正職員司書のいないところも多いけど…)、事務系職員はその他の部分、即ち会計や管財といった庶務的な部分を担うという構造が一般的、せいぜい企画系に1人いるかいないか…でしょう。つまり事務系職員は図書館事業に携わらない、これが司書と事務系の温度差を生じる原因。もちろん小規模図書館は司書も事務も関係なく、図書館事業に携わるべき状態のはずなのでしょうが、根本的意識は人事も含めて「図書館のことなんて専門家がやればええやん」ではないかと。だからこそやる気のないハズレが配属され続ける、という悪循環。簡単には脱却できないと思われます。もひとつ思うのが、実は司書は真っ当な事務系職員を知らないんじゃないか、ということ。そりゃ図書館(あるいは学校など)にしか配属されなければ、ちゃんと仕事する事務系職員と一緒になる確率は低い。そういう職員は本庁の財政や企画を担当しているんだから(そういう人たちの仕事のやり方や考え方まで無条件に肯定しないけど)。せいぜい、予算要求の時に財政担当に理詰めでこてんぱんにされて「嫌な奴」と思うぐらいじゃなかろうかね。だから、司書からすれば、事務系公務員なんてそんなもんという諦め感が植え付けられて、そのうち期待もしなくなる、だからまともな職員を寄こせとも言わなくなる、ということもあるんじゃないだろうか。
 …相変わらず口が過ぎましたかね。doraさんが書かれているとおり、図書館の再生にはまずまともな人の配置が不可欠なのですけど、現在その前提条件が整っていない図書館では直営である限り解決は難しいだろうなぁ、と思います。そういう意味では指定管理者制度に移行することにより(ただしうちみたいな外郭団体で本庁から派遣では何の意味もないけど)、上記の悪循環解消は図れるというメリットはあるでしょう。また、成績主義の導入でも成果はあるかもしれませんけど、ただし今の公務員が部下に対して公平な人事評価できるのか、は甚だ疑問です。(個人的に、病気にさせられた挙げ句に人事評価で1年昇級を延伸された理不尽な経験があるので…)
 図書館の受難は人事面でも簡単には解消されないのかなぁ…個人的には、現行公務員制度の崩壊、それに伴い給与が少なくなることについては、上記のような部分が解消されるのであれば喜んで賛同しますけど、その作業に伴う面倒は自分達がすることになるというのは、正直納得がいかない。納得はしないけど、本当にハズレ公務員排除ができるなら、十分にそれをやる覚悟は持ち合わせていますよ、それほど現状は病んでいると思っているから。