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月曜休館の理由は…

 読売新聞「図書館 広がる月曜開館 開館日数・時間も拡大傾向」(2006.6.19)

 わたくしも就職してからこちら、月曜日休みのシフトで働く事が多いので、個人的には月曜日に空いている図書館が増えてくれると確かに便利ではあるのだが…

 ただ、何度もくどいですが、開館日を増やすことによるコスト増がどこで吸収されているのかという視点を絶やしてはいけません。指定管理者制度導入→直営から委託によるコスト減、は分かりやすい構造としても、直営のままの場合、為政者(や財政当局)の理解による予算増なのか、資料費等の予算から削り出したものなのか、その差は大きいはず。指定管理者制度も含め、お金を掛けずにサービスレベル向上なんて虫のいい話、相当な犠牲を払う職員がいない限りはまず存在しないからね、どこかで弊害が出てくるはずですよ…もちろん、無駄に給料もらってまともに仕事しない公務員が働いている「行政の吹きだまり」の公共図書館の場合は、コスト削減・サービス向上はいとも簡単なことですけど。

 でも、本館と分館の休館日ずらしはお金掛けずにできることだし、それぐらいの配慮は然るべきだと思います。できれば、同一市内だけでなく、もっと広域的な視点でそういうことできたらねぇ…例えば、病院の休日診療みたいに各図書館が交代で月曜日開館当番を回していくとかさ。

 あと、月1日程度の休館という話は…月曜日毎に図書整理なんかの作業をしていないのであれば、職員が一斉に休まなきゃいけない理由はないんだから、職員の質という点からは、そんなに抵抗すべき話じゃないと思います。職員が交代で別の日に休むだけの話じゃないですか。「専門知識のある職員を十分配置し、利用者の問い合わせなどに対応できるか」という意見がありましたが、図書館職員になったら司書資格云々の前にちょっとは図書館について勉強するべきで、それによりある程度の対応はできるようになるはずです。それをサボっているだけの公共図書館の現状を棚上げして、そーゆー意見を仰っても説得力に欠けると思うんですよね…どんな小さな図書館でも、司書職員一人が有給とったら休館、なんてことになる訳ないんだから。システムメンテだって、月1でできない緊急的なことは、閉館後にすればいいんじゃないの?残業代が、と言うのなら、勤務時間をずらすなり、代休を取らせるなりすればそれほど掛からないはずだよ。

 ただし、蔵書点検などの纏まった休みをむやみに短縮するのは反対です。それ相応の蔵書管理してもらわなきゃ、資料紛失が増えるばかりです。ICなんかを導入して管理が容易な図書館なら問題なしですけど、そうでもないのに期間短縮するという事は、管理が疎かになっているのだと思われます。もちろん、無駄に休んでもいいという訳ではありませんけど、ある程度の規模の図書館なら、それ相応の管理が絶対必要なはずですよ、ということで。昼夜3交代制で蔵書点検すれば1/3の期間で終了するということも提案しておきます、一応…(←さすがにこれは現役図書館員に殴られそう…)

 指定管理者の話は横に置き、直営に話を限ると、公務員は土日休みの9時・5時勤務が当然で、図書館は仕方なくイレギュラーで月曜日に休んでいるという意識が根強いところに、この問題の一端があるような気がしますが、いかがでしょうか。公務員=サービス業という意識の欠如が、中身のない指定管理者まで社会的に支持されているという構造に、そろそろ気付きませんか、公共図書館関係の皆さん?

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(文末の補足)
 中身のある指定管理者も数少ないですが存在します。ただ、窓口の愛想がよくなったとか、貸出冊数が増えたとか、そんな表面的なところだけで利用者や役所の支持を集めるばかりで、図書館運営的に滅茶苦茶になってるところもあるんじゃないの?でもそれを招いたのはそれまでサービス業という意識の欠如により、愛想とかそんな表面的なことすらままならず、理念もないまま仕事していた、高給取りの公務員たちのせいやろ?ということです。