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何を紛失したかすら分からないなんて

 ・毎日新聞 「玄石文庫:不明資料は52件、盗難防止へ管理体制見直し−−市教委が最終結果 /岡山」 (2006.3.14)

 この問題は以前から結構騒がれてまして、本当に今更ながら紛失した資料数が不確定だけど公表されただけの記事なのですが。
 倉敷市立図書館の資料管理の杜撰さについてはもう言わずもがな、で公共図書館へのなけなしの信頼を失墜させた罪は大きいのですが、もっと問題なのは紛失の事実をとことんまで隠し、左派市議からの執拗な追求により渋々とようやく対応を始めた市の姿勢です。紛失した本が古書店で流通したり個人の手元にあるという事実を突きつけられても、あくまで知らぬ存ぜぬで通そうとしたらしい。少なくとも図書館職員はご遺族の気持ちを推し量れなかったのでしょうか。
 もちろんこんな図書館ばかりではありませんけど、後世のためにと図書館に貴重な資料を寄贈してくれる人がいなくなるのではと心配です。郷土資料の収集はその信頼関係こそが頼りだというのに…手に余るなら情けないけど寄贈希望者に他機関を紹介する、それが責任ある対応です。
 (「玄石文庫」などでネット検索すればこの事件の経緯が分かります)