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足利市の市立化反対

 ・毎日新聞 「足利市:「図書館の県立継続を」 地元移管で県に要求へ」 (2006.3.11)

 以前の「県立図書館分館の市立化」の続きです。実はコメントした県立図書館設立の経緯の調べはまだ出来ていないので、また的外れな話になったら申し訳ありませんが…

 足利市は市立化反対ですか。26年前の約束は「遠い約束」とは思えないのでしょうね、役所の時間感覚では。端から見ると他市に比べれば好条件で市立図書館が設置できるのだから、喜んで移管してもらえばいいのに、などと無責任に思えるのですが、市単独運営の方が経費が掛かるということだけなんだろう。やっぱり足利学校遺跡図書館から県立に事実上移管した経緯を表裏知りたいところですが、市の言い分は26年前に県が面倒見てやると約束したのに今更何を…という想像は遠からずでは。
 この件も「県立図書館の誘致」で書いたことと事の本質は一緒で、市町村立と県立の役割が26年たっても分化できていないことがよく分かります。図書館という観点を外しても、県が特定の市の便宜を供与し続けることも、時代的にもう限界でしょう。県は説明責任が果たせませんし、記事にあるように皮肉にも県立でありながら利用は足利市民が大半というデータがあるのなら、尚更です。
 足利市のようにいつまでも県に依存する姿勢が市町村にあるから、国や県はあえて「全ての」市町村の行政能力を疑問視し、権限委譲拒否のレトリックにしているんだよ、というのは言い過ぎかしら。「手前のことは手前でやるから財源よこせ」が市の正しい姿勢だと思うんだよなぁ、図書館の役割としても、地方分権としても。