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視察といえば…

 ・朝日新聞 「他自治体からの視察1時間半で5千円也 横浜市が有料化」(2006.3.8)

 一般企業の場合、他社視察というものがどれほど行われているのか分かりませんが、自治体同士の視察はかなり頻繁にあることです。最近でこそ予算がないので少なくなりましたが、年度末になると余った旅費予算消化のために「どこか」へ視察に行くなんてよくあることです。で、「どこか」をどこにするかというと、剰余予算でまず距離を決めた後に、その距離で「変わった」ことをしているところにするんですな。あくまで「変わった」であって自分たちの参考になるかどうかの考慮はあまりない。だから、横浜市なんかは全国からわんさかやってくるのでしょう。
 もちろん真剣に視察をする人もいる訳で、私も視察される側として際どい質問攻めにされ、困惑と同時に他の自治体からの視点が役立つこともありましたが、単なる物見遊山でわらわら来られると確かにいい迷惑です。そういうのに限って、意味もなく資料を準備してくれとか言われて本来の業務に支障をきたすことに…どこのお偉い様か知らんけど、ぶつぶつ…といいながら残業したり。
 ということで、横浜市の有料化というのもしょうがない、と同情しますが、真面目に視察に行きたい人の障害になってしまうのは残念です。事前に視察の目的と質問事項を詳細にレポートさせて、審査を通った人のみ視察させてあげるでもいいんじゃないか…と思ったけど、それでは優秀な秘書の代理レポートが提出されるだけで意味がないか。ま、公務員の悪しき慣習を止めさせるにはこれしかないのかも。

 視察といえば…図書館時代、国土地理院の海外研修生が毎年視察に来まして、それぞれ自国の地図作製機関(もちろん軍隊のところも)のエリートばかりですから、所蔵地図についてガンガン質問が飛んできました。その中のケニア人から「世界分布図センター」という機関名が「World Distribution Map Center」となっているのを見て「お前らは地図を世界中に配布しているのか?」と質問されました。ほげ?と思ったのですが、どうやら「WorldにMapをDistributionするCenter」と解釈したことをようやく理解。「WorldなDistribution-MapのCenter」だと答えましたがどうも納得できなかったようです。そりゃ実態は地図の図書館なのになんで分布図なのさ、と思うわな。日本語では「岐阜の関ヶ原では丸餅と四角餅の境界線があって…それを分布図で示すと東西の文化の境界線が…それを知事が…」などと何十回も説明してきたけど、さすがに私の英語力でそれは不可でした。今更ですが「英語漬け」やろうかな、とちょっと思っちゃったさ。そういえば、イラン人(軍人)が帰国したらイランの地図を送ってやるさ、と未所蔵分のリストまでメモしていったのに、待てど暮らせど来なかったなぁ…さすがインシャラーのお国柄。もっとも輸出禁止物だったのかもしれないが。