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矢祭町の図書館整備

 ・毎日新聞 「矢祭町:「武道館」を図書館に「青少年健全育成に役立てたい」」(2006.3.5)

 矢祭町と言えば、平成の大合併にいち早く異論を唱え、平成13年に「市町村合併をしない矢祭町宣言」を行った福島県の町です。市町村合併をしない、ということは自治省に楯突いたという訳で、合併特例債などのアメが貰えないばかりか、地方交付税交付金や各種補助金がことごとく減らされることを意味します。従って矢祭町の財政状況は残念ながら大変見通しが悪いということなのですが、このたび、町民アンケートで図書室の充実を求める声があったため、図書館を整備することにしたものの、当然箱物を新たに作る予算などないので、武道館改修により対応することとなったそうです。それでも8,000万円の予算はこの町にとっては大変な額だと思いますが、お金が無いなりに工夫して住民の声に応えて図書館を設置するという役場のこの姿勢、素晴らしいではありませんか。合併特例債で無駄に豪華な図書館を作って喜んでいる自治体にこの姿勢を見せつけて欲しいものです。身分不相応な箱物は、莫大な施設維持費を将来にわたり背負うことになることが分かっているのでしょうか。維持管理費に金を取られて必要な図書資料が買えなくなるのにね。
 きっと、古くとも、所蔵資料数が少なくとも、町民が望む立派な図書館になると思います。今の日本、これぐらいミニマムな自治体でないと本来の地方自治の実現は不可能なのですが、総務省は未だそこに気が付きませんね。くれぐれもこういう自治体にくだらない「いじめ」をしないように願うばかりです。