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大学図書館で高校生が自習?

 ・朝日新聞 「小金井市と東京農工大、図書館が連携へ」(2006.2.16)

 白石さん、担ぎ出されてますねぇ〜。

 国立大学は独立行政法人となってから必死なようで、評価項目に地元貢献度というのがあるものだから、大学図書館も一般開放や地元の公共図書館と相互協力の協定結びましょ、というのが流行っております。内容的には相互貸借やレファレンス協力など通常行ってきた協力を明文化したものが多い気がしますけど…もっとも、大学図書館レベルの蔵書に対してのリクエストって公共図書館にはあまりないと思われますが、それでも選択肢を増やすということと相互貸借をPRするという点で一定の効果はあると思います。

 で、今回の小金井市と東京農工大の協定。「夏休み期間、大学図書館を受験を控えた高校生に開放」って何ですか?私は公共図書館の役割に自習場所の提供は入らないと思っておるのですが(昔々、図書館は自習者に席を占領されて市民が利用できない時代があったんじゃなかったか)、現在でも夏休みの図書館は、ロクに勉強しないくせに図書館にいることで勉強した気になった学生に閲覧席を占領され、貸出返却以外の利用なんてできたものじゃないところが多いのが現状。そこで小金井市は、うちで面倒みきれんので、大学図書館に自習者を送り込むことにしたということか。大学側としては高校生に来てもらうことで、自校の受験に繋げたいというねらいがあるのでしょうが、どうかなぁ…理系の学生に限定できれば効果あるかもしれんが。
 大学を周辺住民にも身近に感じてもらう努力は必要だと思うのですけど、図書館間協力として自習者を受け入れるっていう話にはちょっと疑義ありだな。きっと自習者を受け入れてみると、席の上に教科書置いたまま、どっかで集団でだべってる高校生に閉口すると思いますよ、大学側は。いずれにせよ、高校生たち、快適な場所を提供される以上はまじめに勉強しなさい。

 そういえば、岐阜県図書館が開館した頃、自習禁止の方針に対して朝日新聞にえらく食いつかれてたなぁ。図書館は自習する場所、という認識はどうしてこうまで根付いているのでしょうかね。