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県立図書館分館の市立化

 ・毎日新聞「県行革大綱案:5施設、地元移管目指す 未利用財産、5年で15億売却目標 /栃木」(2006.2.15)

 「県内5カ所の県立施設については、設置場所の自治体に移管」を目指すとした5施設に県立足利図書館が含まれている。
 ちょっくらネットで調べ。どうやら足利市には現在市立図書館がないらしい。だから、公共施設を整理したい県が、分館を足利市にあげましょう、という提案なのか。利用実態では事実上の足利市立図書館状態なのだろうか。おそらく本館に引き揚げたいものを除いた資料ごと移管になるのだろうけど、こんな形で市立図書館が誕生というのは、まだ市町村立図書館が十分整備されていない時代によくあったことのようですが(新しいところでは米子市立など)、行政改革の手法として、県が財政的に苦しいから手放すというケースはいかにも今どき。東京都立や埼玉県立などでも議論されてましたっけ?関東方面ではそういう噂がよくあがるらしいのですが…
 それにしても感覚的にはどうしても不思議だなぁ、と。県立・市立の役割云々の前に、県が苦しくなって市にお願いだから図書館引き取って、というところが。市に対してそろそろ市立図書館作りなさいよ、という意識があるとはあまり思えないし。
 市町村立が充実すれば、県立図書館は市町村立を支援することで図書館サービスを全県域に行うことができる、という論理であれば分館の存在意義はなくなる。地域のことは市町村でという地方分権の方針にも合致するけど、さて実際問題それがよいやら悪いやら。件の国立は新しく分館できてるしなぁ…結局、金持ってるところがサービスするべきなのか?地元に金を渡して頑張って、の思想はまだ早すぎるのか…ぶつぶつ。
 ただ、市立になって建物が一緒でもサービスが低下したら利用者は不満を抱くことになる。移管前後の県立のフォローが重要になってくるでしょう。

G.C.W. Eメール URL 2006年02月16日(木)22:51

 県立足利図書館って,できてから25年くらいしかたってないような気がします.僕が中学生の時に吹奏楽コンクールに出るため足利に行った際には見当たらなかったですから.確か,足利は宇都宮に行くのが不便で,かつ栃木県内では大きな街なので,県立図書館の分館を作ったのではなかったかしらん?
 ときに,足利のひとにとって「市立図書館」とは,未だに「足利学校遺蹟図書館」を指すのかもしれません.あそこが昔は公共図書館も兼ねていました.

tohru URL 2006年02月17日(金)09:45

G.C.W.さん、コメントありがとうございます。
足利図書館についてネットで調べてみましたら、足利市議会の議会答弁( http://www.city.ashikaga.tochigi.jp/gikai/t1212i/t12122d.htm )で触れられていました。
それによると「本市におきましては昭和55年に栃木県立足利図書館を誘致」し、「職員全体で25名、うち足利市より職員10名、運営費が人件費を除いて1,300万円」、「毎年度500万円の図書を寄託し、運営につきましても市が応分の負担をして相互運営をいたしている」のだそうです。
市が県立の分館を誘致したのは当時の予算や人員の面からのことかと辛うじて思うのですが、平成12年度頃で市が職員10名と予算1,300万円を持ち出してまで相互運営している理由には想像が及びません。しかも「図書を寄託」ということは、館内に県有の本と市有の本が混在しているということなのでしょうか。このような運営実態なら市に移管という流れは既定路線ですかね。時間ができたらそのあたりの経緯を調べてみたいと思います。県と市の思惑が色々ありそうです。
本館のHP見ても足利図書館についての案内がなかったり、足利図書館の公式HPはOPACなしでniftyのサーバで公開されていたりということから、この2館の関係を量りかねておりましたが、市との相互運営だからなのですね。
余談ですが足利図書館HPのYAコーナー案内( http://homepage3.nifty.com/tpal/ya/ya.htm )の絵がちょっとアレで気になりました。職員さん作ですかね、図書館員は不思議とナニな人が多いですから。かく言う私も立派なナニですが…