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国立国会図書館の役割について…(追記)

 以前の記事に対するお詫びやら言い訳やらです。いくつかのblogで国立国会図書館のコメントに対して好意的な書き込みがあり、ちょっと自分が言葉足らずであると判断したことによる追記です。

 まず私の意見は、以下の前提(思い込み)から導いたものです。
 1 行政機関である国立国会図書館が、国会議員のセンセイ、特に自民党のお偉方に対して単独で意見を発表することはとうていできない
 2 国立国会図書館は、現在国会議員へのサービスよりも、他の図書館など国民へのサービスに重点を置いている
 3 にもかかわらずコメント発表を行ったということは、直接自民党に反論したくともできない「誰か」が、国会からの独立を阻止すべく図書館に圧力をかけたのではないか
 4 しかもあのようなコメント発表について図書館長が承知していない訳がないのに、図書館長の名前で発表されていない。図書館の意見であるならば図書館長名で発表されるはずである
 これ以上も以下もありません。
 1は自分の仕事から導き出した経験則のみです。あながち間違いではないと思いますが、これが本当に図書館からの意思表示であるのなら素晴らしいことです。独法化に賛成であれ反対であれ、意見が国会議員に対して正面から言える行政機関なんて他に知りません。それだけ国立国会図書館の独立性が保たれているということなのですから。でも、でもしかし、私にはそれはにわかに信じられません。私は地元の一部の国会議員としか直接関わったことがないので偏見、と言われても仕方がありませんが、国会議員のセンセイが行政機関に刃向かわれた際にどういう態度を取るのかは、容易に想像がつきますから。
 2については、法的には、そして建前では国会議員へのサービスが第一であることは事実ですが、実情に照らし合わせると、ということです。間違ってますかねぇ…
 3は1,2,4以外の根拠はない推測。こればっかりは違っていたらごめんなさいとしか言えない。だからこのような書き方はしてはいけなかったと反省する。
 4については、行政側の人間の不文律というか、権限のない者から出された文書には何の効力もないという論です。だからうがっているのです。でも、もしかしたら館長の名前を出すまでもない「事実確認」の意味しかない文書だということかもしれません。自由民主党行政改革推進本部での議論で、国立国会図書館の役割が大きく誤解されていたとか。提言のメモの詳細が分からないのでこれ以上は何も言えませんが、国立国会図書館の役割が分からないなら、国立国会図書館に聞けばいいのにね、レファレンスとして(笑)。

 論が稚拙だと言ったのは、説明内容がどうこうという訳ではなくて、独法化反対の論拠を国会図書館機能に大きく求めるあまり、国民へのサービスという点からの反論が弱い、という点です。もちろん建前、そして法的にはその解釈に誤りはありませんけど、2の論理からは物足りない、という感想ですがいかがでしょうか。この点でも、誰かの存在があったのではないかと疑ってしまったのですが。

 私が知りたいことは(たぶん知ることはできないけど)、国立国会図書館自身が本当に独法化反対なのか、また反対ならその根拠を各サービス毎に具体的に示してほしい、ということです。現時点で感情論を超えた議論がちゃんとあるのかは大いに疑問を抱いております。

 いずれにしても、私が役人体質に染まりすぎた故の誤解であることを切に望んでおります。でも、独法化されるか否かは、図らずも国立国会図書館の最大の顧客である国会議員のセンセイ達自身がお決めになるのですから、独法化が決定すれば堂々と国民にサービスしていただければそれでよいのではないですか?(やっぱり最後に屁理屈こねる癖は治らないのだ…)

tohru URL 2006年02月17日(金)14:37

 日本図書館協会(JLA)のメルマガで、自由民主党行政改革推進本部で示された方針が少しだけ紹介されたようです(そのうちJLAのHPで公開されるでしょうか)。
以下、引用。

「両院の議院運営委員会の共管、職員身分は非公務員、組織は調整室、収集・書誌局、資料提供局、主題情報局、調査室の3局2室、業務範囲のスリム化を図り、会計は企業会計、財源は運営費交付金を措置」

 両院の共管は衛藤委員長の政策である国会一院制によるものなので無視するとして、非公務員化は国立国会図書館の高給取りの割合が多いこと対するものであって、業務内容云々ではなさそうか。しかし企業会計とはねえ。目に余る業務拡大に対する報復かしら。交付金以外に何を収入にするんだろうか。
 また取りようによっては、「副業」である国立図書館機能はやめて、国会業務に専念しろと主張しているとも言える。
 確かに1000人弱の定員は贅沢だし、いささか業務拡大に勤しみ過ぎとは思いますが、対する自民党も大した見識がないまま、とりあえず「ぶちあげた」感が拭えず。
 なんだか、色々書いてしまった自分が騒ぎすぎで少々恥ずかしくすらなってしまった。多数の国立国会図書館の方のお目汚しをしたことを反省し、事の推移を見守ります。