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ここにおける自分のスタンスについて

 私は元図書館員であり、現在も行政側の人間である。
 従って、公共図書館を論ずる際には、(「あえて」も含んで)相当にリアリスティックに話をする。特に昨今の地方財政の逼迫は肌で毎日感じているだけあって、予算、設備、人員の裏付けや現状を相当程度無視した議論というものに接すると、実は個人的には相当鼻白んでしまう。

 当然これは個人的な立場という話であって、他の理想論に徒に冷や水を掛けて面白がる趣味もないし(反対に自分の現実論に対してただただ高圧的に水を掛けられるのもできれば止めてもらいたいとは思うが、それは相手のある話なので個人的感想に止めておく)、でも自分がいつも見落とす高所からの諸意見は時に感心させられる。だから、こうして細々とブログにいたずら書きをしている。

 異見を交え議論が活性化し、時に双方が及ばなかった域に達することがあればいいと思い、私は上記のスタンスで話をする。非常に偏った意見であることは承知しているが、特に公共図書館論においてこれを主として論ずるアカデミズムと現場の距離が大きすぎること、また現役司書の至極真っ当な意見が専門誌やネット上であまりに少ないこと(真っ当でない意見ばかりが大手を振っていて、恐らく真っ当な司書は書く暇がないのだと思う)、更に現役司書にしても行政的なリアリズムがないことが往々にしてあり、少しは妙に図書館に詳しい行政職員からの意見に希少価値があるのではないかと考えているからである。

 私はリアルでも口が悪く、よく他人を無駄に怒らせるので、ネットでも意図せず他人を攻撃していることもあろうし、同じだけ他人からの攻撃にも敏感なのかもしれない。所詮はネット上でのおつきあいなので、良くも悪くも距離を置くことにはしているが、なかなか適切な距離感は掴めない。これが自分の最重要課題。

 ちなみに、私は相当なペシミストでもあるので、上記のリアリズムと相まって実に夢のない、融通のない意見が多いが、こと公共図書館に関しては根拠のないオプティミズムと歪んだイデアリズムが蔓延した結果が今の衰退だと思っているので、公共図書館の生き残りに対してはこの姿勢で臨むことは変えない。