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院生からのレファレンスで(後半改訂版)

 前のエントリーの後半部分、「いらっと」感に任せて書き殴ったら、大学図書館の方々を中心に評判が芳しくないようで、自分で読み返してみてもどうも感情的すぎてあらぬ方向に批判が行ってしまった感もあるので、もう一度整理して書き直してみたい。(本当は前記事は削除したかったのだが、自戒を込めて敢えてそのままにしておきます。)

 まずは所蔵調査という観点で。大学図書館からの所蔵確認は何も問題ないのですが、尋ね方が「防空法第5条の5第2項に基づく昭和19年4月○日付け内務省告示第○号に関係図面は岐阜県庁及び大垣市役所に備え置き縦覧に供するとあるが、この図面は所蔵しているか、なければ代わりとなる資料はあるか」だけだというところが、ちょっといらっとさせられた。そちらさんが告示を確認したであろう資料名は添えてあったものの、告示文そのものの転記も防空法の該当条項の説明も、ましてどんな図面なのか等々、そちらが調べて知っているであろう情報が何も書かれていないのがまずもって不満だったのである。つまり、この所蔵調査に回答するためには、こちらが告示文(結局所蔵資料では告示文については正確に分からなかったが)と防空法の該当条項を調べ、これが「大垣市の建物疎開の範囲を示す図面」についてのレファレンスであるという変換作業を強要させられてるという点が気に入らないんである。いうなれば、Aという本の所蔵調査なのに、Aの書誌情報を知らせずBという本の○ページに書いてある本はあるか?と聞くようなもんですよ。で、うちにはBという本がないけどどーしろと?状態(告示と法律なので調べられない訳じゃないけど、さすがに戦中の告示と法律でそりゃないだろ)。まぁね、そんなん説明不足だと押し返すべきだったのだろうけど、総合大学の図書館のレファレンス係という部署の司書がですよ、相手の立場に立ったレファレンスの仕方を知らないのかと思ったら、なんだか押し返す気力が萎えちゃってね…
 あとね、「代わりの資料」って気軽に添えてあるけど、その部分については前回書いたとおり結構なレファレンスになる以上、所蔵調査のついでレベルじゃないし、本人からのヒアリングなしでは細かく対応できないんだけどなぁ…ということ。
 こうして書いてみると、学生が悪いんじゃなくて、図書館司書が力不足ってことだったのかな。

myrmecoleon 2006年11月17日(金)10:19

おっと。こちらを読まずにあちらの方にコメントしてしまいました。コメント不要でしたね。おおむねその通りだと思います。

>図書館司書が力不足ってことだったのかな。

力不足というか,レファレンスを受ける側としての最低限のマナーを当の図書館が破ってていいのかと;
何を調べてて,何がすでに分かってるのかを示すのは基本だと思うんですけどねー。

tohru 2006年11月17日(金)11:33

>myrmecoleonさん

 ども初めまして。コメントありがとうございます。いつもはてブ拝読?しております。コメントはこちらでも、はてブでも好きなこと書いてやってください。

 一晩経って少し冷静になってみると、たぶん腹が立ったのは「足らない司書(って最初に書いたけど強すぎるかなと思って"力不"を足したのだが…)」に対してだったのだと思います。所蔵確認とそれ以外のレファレンスの安易な混合、図書館を通じないとという原則の頑なな固持(大学図書館は他大学や研究機関等、一般開放していない機関へのレファレンスが多いからそういう原則になっているという認識を持っていたのだろうか…)あたりに。所蔵確認としても他機関へのレファレンスとしてもちょっと足りない事例でした。

 私も感情に流されて支離滅裂になってしまい、ご迷惑をおかけしました。県図書館時代にも、本人→大学図書館→県図書館でレファレンスがあり、情報不足なので県図書館→大学図書館→本人で照会、回答が本人→大学図書館→県図書館、まだ足りないから再度…となり、お願いだから本人とお話しさせてと言ったら大学図書館は原則なのでとこの経路を譲らず、結局大げんかした経験があったので、今回もつい感情的になってしまいました。

 これに懲りず今後ともよろしくお願いします <(_ _)>。

myrmecoleon 2006年11月19日(日)02:09

はてブ拝読ですか; いつもお恥ずかしいところをお見せしてすみませんね。

大学図書館のやり方の理想としては,利用者と相手機関との間の良い通訳になれれば,というのがあります。たとえばどんな権威のある教授でも,図書館利用の基本的なところが分からない方はいますので。利用者から必要な情報を引き出し,あるいはそれを所蔵資料やデータベースで補って,それを相手館で作業しやすいように効率良く伝えるのもレファレンスの技能の一つです。
ただし,専門性の高い主題や図書館員が力不足の場合などにtohruさんの言われるような困った事態が起こるのはよく理解しています(大学図書館間でもたまにあるのですよ;)。今回の件についてはその上で基本的なマナーのレベルでも不足があるように感じました。不満を感じられるのはもっともだと思いますよ。

現在はメールレファレンスなども整備されて,専門図書館や公文書館などでも連絡の取りやすいところが増えていますし,必ず図書館が仲介となる,という慣習も見直す必要があるのかな,とも思います。その点でこういう現場の意見は非常に参考になります。

こちらこそ,今後ともよろしくお願いしますー。

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