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図書館利用者は本当に図書館を必要不可欠な施設と思っているのかいな?

 前回のエントリーのコメントで、特に相手があるやりとりはもう少し物を考えてからしなければいけないということを痛感。普段からもっと論理的思考を働かせるようにしておかないから、自分の主張も相手の言葉への理解もぼやけてしまうんだなぁ、と反省。

 そんな中で、公共図書館の「運営資金が税金であるならせいぜい利用したほうが得、という考え方」というところにちょっと「はっ」と。当然、そういう発想は頭では理解しているのだけど、直感的に図書館で予約・貸出を行っている利用者ってのは、当然そういう図書館運営(無料貸本屋的な)を強く望んでいるんだと思い込んでましたから。もっとライトな感覚の、「とりあえずそういうサービスがあるから利用している」レベルの利用者に思い至らなかったのは想像力の欠如だったな。で、そういう利用者を想定したからどーなのかというと、利用者が多い図書館だからといって、その図書館の運営が利用者に支持されているとは限らないということに思い当たりまして。何を言い出してるんだって?いやね、鶏と卵の話のように住民から望まれてそういう図書館になったのか、そういう図書館だからそういう利用をされるのかの明確な判別は今更できないけど(おそらく相乗だと思うけど)、先のライトな利用者は後者の論で生み出されていると。でもこの利用者層は前者の論に必ずしも当てはまらないことに気付いたってことよ。ますます分からない?つまりね、せっかく近所に無料貸本屋があるのならそこで本借りるけど、そういう図書館がないと真剣に困るとまでは考えていないという人が少なからず存在するんじゃないかってこと。実は住民が図書館に対して感じている必要性って、図書館関係者が利用統計などから思い込んでいる以上に相当密度の薄いものなんじゃないのかなって気がしてきたです。
 『市民の図書館』以後、経済発展に支えられ「ないよりあったほうがいい」的理解で拡大・存続してきた公共図書館は、昨今の国や地方自治体の財政難によって縮小路線に転換せざるを得なくなりつつありますが、更に深刻な財政難に陥り公共サービス全般について見直しを行わなければならなくなったときに、図書館が利用者数や貸出数を根拠に今の図書館運営の正当性と存続を主張してみたところで、予想外にあっさり住民に切り捨てらるんじゃないでしょうか。実際の利用者にしても図書館の優先度は他のサービスより意外と低く見られるんじゃ、というか。コメントに夕張市のことも書きましたけど、どういう図書館なら住民から永続的な(健やかなる時も、病める時もって感じで)存在が認めてもらえるのか、やはり利用統計のような薄っぺらな数字以外から検証する必要があるんじゃないでしょかね。

ろーじー 2007年02月07日(水)00:08

ども。(笑)

そもそもから図書館て施設は「ないよりあったほうがいい」の域を出るのは難しいんじゃないかと思います。
よく言われるように、「生き死にに関係ない」ですから。
では「生死に直結しない施設はなくていいか」というと、そういう類のものを片っ端から切り落としていったら・・・おそらく人間生活はサイテーどころか成り立たなくなるんじゃないかという気がします。
別に図書館なくても困らない人であっても体育館がないとママさんバレーの練習が出来ずにすごく困るかもしれないし、そういうのをお互い「こっちが優先度が高い」と主張しあっても不毛だと思うんですよね。
手を携えて共存共栄を図ったほうが得だと思うなぁ。

そのためにも、「無料の原則」はそろそろ見直すべきなんじゃないでしょうか?
体育館だって公民館だって利用料とりますからね。
図書館だけ無料、と言うほうがなんか違和感ありませんか?
別に法外な料金とれというわけじゃないし、子どもや一部の高齢者などは対象外にしたっていいかもしれませんし。
古びて時代にそぐわなくなってきたのは「貸し出し至上主義」より「無料の原則」のほうじゃないかと思う今日この頃。

tohru 2007年02月07日(水)16:58

 うーん、公共図書館とは、ってのに共通認識を持つのは難しいですね。まぁ、私が反社会的(笑)概念を持っているからなのでしょうがね。

 本当は図書館ってのは人間の生き死に関係するかもしれない施設なんですがねぇ…説明すると恐ろしく長くなる上に他人には理解しがたい話になるでしょうから、ここでは省略しますが。

 図書館無料の原則は、知に対する機会の均等をその原理としているのであって、無料で本を借りることそれ自体に対する保障じゃないのです。ですから、無料の原則がそぐわなくなったのではなく、現在の貸出を目的化している図書館運営こそが本来の公共図書館の主旨(無料の原則を含む)から逸脱しているというのが私の歪んだ考えでございます。図書館は特殊で高尚な公共施設だから無料でいいのだという主張も一部あるようですが、他の施設とはその主旨と役割が違うから無料なだけです。図書館業界人も含めてその主旨と役割ってのが何なのかの認識が共通になってないのが問題なんですけど。
 個人的には有料図書館はありです。ただし、無料貸本に対する対価ではなくて、静かで貸出なしで9類以外の資料とレファレンス対応が異常なほど充実している図書館に対してなら、ということで。これなら年5万円払っても利用しますよ。

ろーじー 2007年02月07日(水)23:22

>人間の生き死に関係するかもしれない施設なんですがねぇ…説明すると恐ろしく長くなる上に他人には理解しがたい話になるでしょうから、ここでは省略しますが。

えー、聴きたいですぅ!!

>知に対する機会の均等をその原理としている

>無料貸本に対する対価ではなくて、静かで貸出なしで9類以外の資料とレファレンス対応が異常なほど充実している図書館に対してなら、ということで。これなら年5万円払っても利用しますよ。

んー・・・ちょっと矛盾してるように感じるのは私の認識不足でしょうか?
特殊なニーズに応えてもらうために納得ずくで対価を支払う、というあり方には疑問を感じません。(だとしても5万円の年会費は高いな、とは感じますけど)
が、「知に対する機会の均等」は現実には義務教育ですら実現できていない画餅のように思います。
どうやっても足代を使わないとたどり着けない場所にしか市立図書館がなく、「空白地域」であることを15年も前から当局が認識していながらそれが解消されず、ようやく代替施設として小学校の図書館が開放されたけれど利用できるのは事実上父母に限られる、なんていう環境にいるとますます不均等感に拍車がかかります。
また、私は有料化する場合には従量制の「貸し出し料金」の形はとらないほうがいいと思っています。
「館外利用」のみが図書館の利用ではないですからね。

tohru 2007年02月08日(木)11:25

その矛盾は、公共図書館とはという側面からの理論と、単に利用者として金払うなら個人的にはこういう図書館でないと、という次元の違う話だから。区分せず申し訳ないです。公共図書館は私が金払いたくなるようになればいいとは思ってません。仮に実現するならそんなのは私立図書館で、です。
絵空事や理想論に過ぎない…現実とのギャップは激しいですね。どうやって図書館サービスを行うかはそれぞれの自治体の裁量ですけど、歩いて行けるところにサービス拠点があるというのは理想だけど都市部でしか実現不可だなぁと田舎に住む者としては思います。

ろーじー 2007年02月08日(木)23:14

>都市部でしか実現不可だなぁ

たしかに・・・。
まぁ、実現可能な都市部のはずなのに実現しないから腹が立つ、というのもあるんですけどね。

「金がない」ことを理由にサービスや蔵書の質が落ちるくらいなら、待ってても空から降ってこないお金は稼ぐ手を考えたほうが得策だと思うし、
そのほうが中の人も利用者もコスパ意識持てると思うんですけど。って脈絡ないなぁ、話に。

ところで腰痛だいじょうぶですか?
無理しないでくださいね