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相互貸借と図書室の衰退

 毎日新聞 「図書購入費:地域の図書館、3分の2に減少 県立への「貸借」依頼増加 /福島」

 なんだか、相互貸借が後ろ向きに捉えられている気がする記事だなぁ…年6,000冊なんて少ない方じゃない?手元に統計ないから何ですけど。
 予算減で市町村立や公民館図書室が自前の資料で賄えないケースが増えつつあるのは事実なんでしょうけど、そんな時こそ県立を活用して頑張ってます、という前向き(「から元気」か?)な視点も記事に少し入っていればよかったなぁ、県立と市立の相互貸借は「やむを得ない」事業ではないんだからさ。

 それにしても、「県立図書館に入庫してから10年が経過した図書と資料を譲る「譲与」」って何だろう。古くなった図書室巡回の貸出用資料を譲渡ってことかしら。正直10年経った本を図書室に置いても、という気もするが、廃棄よりはよっぽどいいか。
 僕が図書室巡回へ行った時に聞いた話では、県が巡回して本を貸してくれてるでしょ、と財政担当者から図書購入予算を0にされたという悲惨なケースもあったし。記事の最後にあるけど、図書室の先行きを更に暗くしているのが、実は市町村合併。岐阜でもそうだったけど、図書館未設置町村を巡回して支援する事業だから、市町村合併で図書館のある市町村と合併したら、図書館設置市町ということで巡回しなくなるんですよ。で、合併先の図書館がちゃんと意識のあるところなら、図書室を分室にするなりしてちゃんと図書館サービスの拠点に位置付けてくれるんだけど、多くのところは「ほったらかし」。ということは、どこからも支援がなくなって、合併前より悲惨な状態になる、ということ。あぁ、ほんと悲惨。実は、以前に大学のレポートでちょっと知ったかぶってこの辺のこと書いたんだけど、市町村合併を経て旧図書室における図書館サービスが充実したのか、それとも衰退したのかを見れば、そこの行政(市町村)が図書館サービスをいかに捉えていたかが実によく分かりますよ。

G.C.W. Eメール URL 2006年06月22日(木)20:27

これは福島県在住者として何かコメントしないと拙いですかね(^^;).と言っても,僕も「譲与」については,この記事で初めて知ったくらいですから,何をかいわんやですが.
それにしても福島県の町村立図書館は,典型的なハコモノ行政の産物に思われても仕方が無いですね,これでは.福島県立図書館自体,予算が他の県立図書館や郡山・いわきの図書館より少ない,という話が一昨年だったか地方紙に大きく出ていましたし,県立の「協力車」は確か以前は1か月に1回巡回だったのが,2,3年前から2か月に1回巡回に減らされているはずで,それでも相互利用の数字が以前に比べて伸びているとしたら,やっぱり福島県民は恥ずかしいと思わないとダメかもしれません.

tohru URL 2006年06月23日(金)23:18

町村立のハコモノは何処も似たり寄ったりだと思いますが、設立経緯はともかくとして、その後の活動状況が、まともな図書館になるか、ならないかの分岐となる気がします。
あと、県立の協力車で資料を運搬する方法なのですが、まだ宅配業者に委託できない理由があるのでしょうか?岐阜は費用県立持ちで、週1回(今は2回になったのかな?市町村立間も県立経由で可になったはず)プラコンに貸借資料等を詰めた定期便を市町村立と相互に送り合っています。はっきり書けませんけど、入札やってだいたい1個400円強の費用でしたが、それでも直接車で届ける方が安上がりなんですかね?何年か前にどっかの県が全ての都道府県立にアンケートをとり、状況を一覧にした資料を見た記憶がありますが、当時は宅配は少数派だったかなぁ…
ともかく、1ヶ月や2ヶ月に1度の配送では、利用者とすれば待ちきれないよなぁ…と思っちゃいます。