No.100の記事

中心市街地活性化と県立図書館

 ・岩手県複合施設課HP ・山梨県企画課HP(新たな学習拠点整備運営事業)

 最近は県立図書館の役割や機能についてぶつくさ言っておりますが、この2つの県の新県立図書館が駅前にできるということも、県立と市立の機能未分化と無関係ではない気がして、とりあえず頭出しで書いてみます。
 只今、まちづくり三法の見直しが議論され郊外型大型店舗の出店規制について話題になっておりますが、一方で中心市街地活性化法に基づき、公共施設を市街地へ設置するよう国が補助金により自治体を誘導しております。つまり、自治体が施設を作ろうとする時に駅前なんかに作ると国からの補助率がぐ〜んと(と言うほどでもないけど)アップ、という訳です。そこで図書館が登場、何故ならその補助金の対象となる公共施設の中に図書館が含まれておるからです。最近、新しい図書館がよく駅前にできているのはこういう理由からなのですよ。
 駅前の図書館はいいんですけど、ちゃんと自治体が市街地活性化を目的に設置しているかは少々疑問。もちろん、駅前に図書館があることで利便性の向上に繋がるところもありますが、補助金ありきで設置場所決めたんじゃないの、とうがりたくなるところもあります。あと10年もすればその差が目に見えてくると思いますけどね。
 まぁ市町村立図書館ならそれでもよいのかもしれない。でも、と岩手県と山梨県の県立図書館のお話に続く。新しい県立図書館が駅前にできるんである。どちらも複合施設なので図書館の事情だけを考慮してはいけないのですが、やっぱりこれは県立図書館の機能について理解されていない証拠なんじゃないかと思えるのですよ。つまり県立図書館で人を呼ぼうという施策はおかしいんじゃないか、と。もちろん直接来館者が増えるのはいいことですよ、でも県立図書館はそれだけでは駄目。例えば書庫だけでも、たとえ補助率が悪くとも同じ地元負担額で郊外に造った方が大きく取れたよねぇ、駅前の複合で県立図書館としての資料保存機能が何年保てるかなぁ…とか。駅前だと車での便が悪いけど市町村立支援のことを考えるとそれでよいのかぁ、とかね。
 うまくまとまらないけど、県立図書館は郊外で悠然としていた方が本来の機能面からすると適しているんじゃないの、ということ。取って付けたように市町村立図書館の支援なんて言葉が委員会資料にはあるけど、やっぱり直接来館者しか見えていないんだよなぁ。どちらも指定管理者制度に絡んでいることも無関係ではあるまい。(もちろん私は図書館の指定管理者制度導入に断固反対派ではありませんけど、少なくともこの程度の認識のまま、この2つの県立が指定管理者制度に移行するのであれば、もはや県立図書館の体をなさなくなるのは目に見えてます。)
 気が向いたらもう少し「ましな」文章にしますけど、思いつくまま。