本・コミック

『番線』 久世番子



 たまにはコミックの話でも…。
 『番線』(書店コードのことですね)というタイトルのくせに、本にまつわる話であってあまり本屋ネタはない。まぁ本屋ネタは『暴れん坊本屋さん』で出し尽くしたのだろう。
 とは言いつつ、本にまつわるということで、図書館取材があります。それも国立国会図書館で資料修復、納本、書庫ネタ。作者自ら納本したり、書庫内を職員案内で見学したり(こんな軽い取材でも受けるんですね、NDL)。カバー剥がしの話も軽くあります。

 絶対、新書館はまともに納本していないと思ったんだけどな。でもマジで納本の仕方知らない出版社ってのも存在する気が…

 「真理が我らを自由にする」も軽く触れとります。そういえば、昨年受験した司書採用試験(NDLのではない)の記述でこの言葉の意味を書かされたなぁ…腕もげるかと思うぐらい書きまくったなぁ…と意味のないことを思い出した。

 ライブラリアンにとっても、NDLネタだけで読む価値ありではないでしょうか。

第11回手塚治虫文化賞受賞作品

 マンガ大賞はテレプシコーラか…のだめが辞退した後のコンサバ選考だからなぁ。いっそ大奥にして従来路線転換を狙うという手もあったような気がするが、去年の失踪日記でそれは十分だったか。
 短編賞は大阪ハムレット。こちらも順当っちゃ順当だが、昨年の伊藤理佐に続き森下裕美という好きな作家の連続受賞で個人的には満足。森下さん、授賞式では是非かましてください。
 特別賞なしでっか?米澤さんにあげればいいのに…

またひとり…

 ・毎日新聞 「犬丸りんさん:飛び降り自殺か」 (2006.9.11)

 私の書棚にある本の著者が亡くなりました。中島らも、鷺沢萠…愛好する作家の死は、遠い親戚よりも悲しみが実感されてしまうが、自ら命を絶つ行為は作家の職業病であろうか(中島らもは自殺ではないが、自壊的な死である点でほぼ同義であろう)、それとも私自身が作品から精神的な同類性を無意識に感じ、書棚にそういう人達の著作を増やしていった結果のだろうか…
 自殺は人間の最低な行為であるという正論を吐き捨てることは、未遂者の私には未だ到底できないが、ただ言えることは自殺しようとする人はほとんどが精神疾患の状態にあるということで、行為の前に精神科に行き治療する猶予は誰かしら与えることができなかったのか、という点で勝手に悔恨の念を覚えてしまうのです。

 おじゃる丸が有名でしたが、この方のエッセイには独特の感受性とその感覚の表現に卓越したものがあり、誰もが感じながら言葉で表現しにくい感情を楽しむことが出来ました。ご冥福をお祈りいたします。

「ねこらぶ」 米沢りか



 図書館と猫と菓子の話。帯見て図書館猫って何だよ?と思ったが、図書館に住み着いた猫だった。
 まぁ、ほのぼのでぬるーいお話だし、図書館自体については設定などツッコミどころ満載ですけど、フィクションですから。しかし米沢りかといえば「アクション大魔王」のようなハイテンション作品かと思いましたが…図書館ものとしてではなく猫ものとして読むのがよろしいかな。

 関係ないけど、図書館エッセイマンガが出てこないものか。本屋業界で異常なほど内輪受けした「暴れん坊本屋さん」の図書館版のような(暴本は3月に2巻が出るでよ〜)。結構うけると思うけどな。図書館員よ、同人誌描くぐらいなら、エッセイマンガ描いて出版社に投稿しよー!