No.563の記事

釣り球エントリの意図…

 「読書は…」という釣り気味エントリのそもそもの発端は、公共図書館の「指定管理者制度反対」論で語られる公共図書館像って、情報集積機能(資料の収集・ストック機能など)やレファレンス機能がすごく発達してて、その公共性を論拠にして反対論を展開しているのに、そういう話の出てくる公共図書館に限って実は貸出ばっかじゃないの?という素朴な疑問から。

 なんというか、業界の理想論の二面性って言うべきなんですかね?直営時代は貸出至上主義を信奉してたくせに、いざ指定管理なんて話になると「いや、公共図書館は無料貸本屋じゃないんですよ」って急に理想論に手のひら返すという不思議さ。下手すると、指定管理者をその方向から非難までしちゃうという。これが作戦的な裏腹ならいざ知らず、どうも本人さんたちはその変貌すら自覚がない始末。じゃあ、それで貸出至上を否定するかというと、直営である限りは「市民の要求」を振りかざしてそのまんま。

 訳が分からないので、とりあえず、ベストセラー貸しの理由を問うてみたかったのですよ。別に納得できる回答は期待してませんけどね…

 それと、何故無料なのかという点も。例えば今の日本だと、下水道が普及して本管が家の前に敷設されると、法的な強制力をもって家の排水管をその本管に繋がされますが、その費用は個人持ちなんですよね、受益者負担という考え方で。もちろんその後は下水道料金も払い続けます。排水を下水道を通じて処理するということは、利用者の家内環境そのものが向上することはもちろんですが、それ以上に環境面から考えれば非常に公益的なはずです。が、強制的に下水管に接続させられる上に、その費用は自分で払うんですよ。そういう意味で、下水道管に接続すること以上に、図書館でのベストセラーの貸出は公共性があるということでなければならないのですよ、社会制度的には。で、その説明、今の図書館業界はできますか?

(11/3、一部修正)